摂津市の千里丘駅前再開発で、大和ハウスJVが事業協力者に決定:プロジェクト
摂津市は、JR「千里丘」駅前の再開発で、大和ハウスJVを事業協力者に選出した。提案書によると、敷地内に総戸数345戸の高層タワーマンションや低層の商業施設を建設し、健都の北の玄関口として相応しい賑わいの創出を図っていく。
摂津市は2020年8月19日、「千里丘駅西地区第一種市街地再開発事業」の事業協力者に、大和ハウス工業を代表とするJR西日本不動産開発、住友不動産、関電不動産開発、大林組から成る共同企業体を決定した。
1.5haに高層マンションなどから成る2街区を整備
千里丘駅西地区は、駅前の交通混雑や狭い道路に囲まれ、建物が密集しているなどの課題を抱えており、これらの解消と駅前の賑(にぎ)わいづくりを目的に、駅前広場や道路、住宅、商業業務施設などを整備する再開発事業を計画している。再開発事業の対象となる用地は、大阪府摂津市千里丘一丁目の一部で、施行面積は約1.5ヘクタール。
これまでに事業化を目指して、市では2020年2月25日に都市計画を決定し、事業地内の測量や建物の調査などを進めてきた。今後は事業協力者の協力を受け、予定されている2021〜2028年の事業期間に向け、事業計画を作成していくことになる。事業協力者が担う内容は、まちづくりコンセプトの作成と、施設建築物の設計及び施工、管理運営に関する助言・提案など。
大和ハウス工業JVの提案によると、「つなぐわ、広がるわ、育むわ」をコンセプトに、敷地面積約7300平方メートル内で、総延べ床面積約4万6000平方メートルのI街区と、延べ約2800平方メートルのII街区を整備する。街区内には共同住宅や商業施設、駐車場の建設を予定しており、このうち共同住宅はJR東海道本線「千里丘」駅に直結し、地上35階建て総戸数345戸の高層タワーマンションで、地震や強風に強い制振構造と、摂津市の木「クスノキ」をモチーフにした外観を採用。隣接する商業施設は、新設する駅前広場に面した配置とする。
また、街区内を東西に横断する区画道路1号線をシンボルロードと位置付け、民間施設と一体となり、市民が愛着を感じられるような空間とする。設備面では、非常時の防災拠点としての機能を備え、日常の安心安全を確保するための地域見守りシステムも導入。さらに屋上・壁面の緑化に加えて、エネルギーマネジメントシステムの採用など環境負荷の低減も図る。
再開発事業者の公募は、2020年3月9日に募集を開始し、書類とプレゼンテーションの審査を経て、同年7月16日に応募のあった4者から最終的に大和ハウス工業JVを選定した。
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