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床面ひび割れのAI検査ロボ「Floor Doctor」に、AR機能搭載の新型機メンテナンス・レジリエンス OSAKA 2020

イクシスは、床面ひび割れ検査ロボット「Floor Doctor ver.2」の試作機を開発した。Floor Doctor ver.2は、従来機と比較し、iPadのAR機能を利用して自己位置推定ができるようになり、壁際での点検にも適応するようになった。

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 インフラ構造物の点検ロボットを開発するイクシスは、「メンテナンス・レジリエンス OSAKA 2020」(2020年7月29〜31日、インテックス大阪)内の「インフラ検査・維持管理展2020」で、床面ひび割れ検査ロボット「Floor Doctor ver.2」の試作機を披露した。 

新バージョンは、AR機能で自己位置を推定

 コンクリートは、乾燥時の収縮や膨張で、ひび割れが発生するケースが多く、施工後でも施主に引き渡す前には補修が必要となる。従来は、目視点検でヘアークラックと呼ばれる0.3ミリ以上のひび割れを探し出し、クラックスケールにライトを当てながら写真撮影をして、ひび割れ検査の報告書を作成していた。

 しかし、1日5000平方メートルあたり1人の検査人員が求められる作業では、点検技能者による撮影品質のバラツキが生じやすく、撮影漏れなどがあった場合は、業務のやり直しが発生していた。

 これまでの課題を解消するため、イクシスは2019年10月に床面ひび割れ検査ロボット「Floor Doctor」を発売。Floor Doctorは、オペレーターが手動でロボットを移動させ、コンクリート床面にあるひび割れの形状と位置情報を取得する。発見したクラックはAIで画像分析することで、0.1ミリのひび割れも抽出可能。AIを活用した損傷判定により、これまでの人の手に頼っていた検査報告書の作成時間を短縮させることができる。既にスーパーゼネコン含め十数社が採用しているという。


Floor Doctor ver.2の試作機。発売の際には形状は同じままにカラーリングが変わる予定

 今回展示したFloor Doctor ver.2は、旧モデルを利用するユーザーからのフィードバックを受けて改良した。従来機では、本体フレームの中央に取り付けたカメラで、壁際の映像が取得しにくというユーザーの要望を反映し、カメラの搭載位置を前方に変更している。


カメラの搭載位置を前方に変更し、壁際のクラックを検知しやすくなった

Floor Doctor ver.2に搭載したiPadのAR機能で自己位置推定が可能となり、データの取り漏れがなくなった

 さらに、iPadをロボットに装着し、iPadのAR機能を利用して自己位置推定ができるようになったため、点検したエリアを把握することが容易になり、データを取り損ねることがなくなった。また、本体も折りたたみできるようになり、従来モデルでは、輸送時に東京〜名古屋間だと8〜9万円の送料が掛かっていたが、新バージョンでは、折り畳み機能により、日本全国どこでも2万円以下の送料に納まる。

 Floor Doctor ver.2の発売は、2020年8月中旬を予定しており、価格はオープンプライスで、販売とレンタルで提供する。

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「メンテナンス・レジリエンスOSAKA 2020」

 メンテナンスと国土強靭化(ナショナル・レジリエンス)に焦点を絞った建設総合展「メンテナンス・レジリエンスOSAKA 2020」が2020年7月29日、インテックス大阪で開幕する。

 コロナ禍の中で、ひさびさとなる建設展の開催となった本展では、インフラ検査・維持管理をはじめ、建設資材、防災・減災、i-Construction、労働安全衛生など、最先端の資機材やサービスが一堂に会する。特集ページでは、会場でのブース取材やセミナーレポートで、インフラの最新テクノロジーや市場動向を紹介する。

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