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特定地域の地盤や建物が地震でどれだけ揺れるか調査可能な新サービス:製品動向(3/3 ページ)
地域微動探査協会は、地盤と建物ごとに、地震波の周期や増幅の特性を調べられるサービス「常時微動探査法」と「ハイブリッド微動探査」を開発した。
安全性レポートや耐震性補強に役立つデータを提供
梶原氏は、南海トラフと首都直下の地震で被害を受けやすいエリアにある戸建てを対象に2020年10月から提供を開始するサービスについて、「リフォーム会社と連携して、両地域にある住宅1000棟限定で、地震計を取り付け、地震発生時の状況をモニタリングする。その後、収集したデータに基づき、レポートを作成し、住民に提供する。住民にとっては、地震後に建物の状態を把握できるとともに、気象庁発表の震度と住居の揺れなどが比べることで、早期の地震対策を図れるようにもなる」とコメントした。
サービスの流れは、まず、高性能振動計で対象地盤と住宅の耐震性を調べた後、必要に応じて、リフォーム会社が住宅を補強する。地震計を建物に設置し、モニタリングをスタートして、地震が起きた際にはリアルタイムに被災度を測る。地震時もしくは1カ月に1回安全性レポートを発行し、モニタリング開始から5〜10年後に、高性能振動計を用いた建物の再評価サービスを提案する。
価格は、常時微動探査法が10万円で、ハイブリッド微動探査は8〜10万円、地震時に住宅の状況をモニタリングするサービスは15万円(いずれも税別)。
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