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地震データの改ざんを防ぐ、“ブロックチェーン”を活用した地震被害のシミュレーションの開発に着手
不動産テックのツバイスペースが、建築テック業界を対象に、地震データの改ざん防止を担保しつつ、AIを使って、地震の被害シミュレーションを可能にする画期的なシステムの商用サービス開発に乗り出した。
不動産テックのZWEISPACE(ツバイスペース) JAPANは、提供している耐震強度測定アプリ「ナマズ」の次世代版の測定実施拠点として、全国各地の建設会社パートナーを募っている。
このたび、地震データの改ざんをブロックチェーンで防ぎつつ、AIを使って、地盤調査を含めた地震の被害シミュレーションを可能にする画期的なシステムの特許を取得し、商用サービスの開発に着手した。今後は、全国各地の大小さまざまな建設会社、開発パートナーとともに導入と、システムの継続的改良を進めていく。
ツバイスペースが取得した特許は、IoTセンサーで、より詳細な地震データを、国のシステムよりもローコストで取得し、AI技術を使いより高速で精緻な予想を行い、ブロックチェーンを活用し改ざん防止を行うという画期的な技術。
今回新たに、建築業界を対象に、地震に関する最先端のソリューションを提示する。その理由には、先ごろ発表された大阪大・元准教授の複数の論文で、熊本地震など実際は観測されていない地震計のデータが記載されていたデータ改ざんを受けたもので、ツバイスペースは改ざん防止の機能を備えたシステム開発に乗り出すことを表明した。より詳細な内容は、今後明らかにされるという。
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