大和ハウス工業の気候変動への取り組み、CDPから最高評価を獲得:産業動向
大和ハウス工業グループは「未来をつなごう We Build ECO」をスローガンに掲げ、環境に配慮した建物の開発や取り組みを進めている。
大和ハウス工業は2020年2月、CDPの「サプライヤー・エンゲージメント評価」で、最高評価の「サプライヤー・エンゲージメント・リーダー・ボード」に初めて認定された。
CDPは、2000年に英国で発足した国際的な非営利団体で、企業や政府に対して、温室効果ガスの排出削減や水資源保護、森林保全を促している。運用資産総額96兆米ドルを有する525の機関投資家と協働し、企業に環境情報も発信する。
サプライヤー・エンゲージメント評価では、気候変動に対する企業の取り組みを「ガバナンス」「意欲」「スコープ3管理」「サプライヤーとの協働」の4分野で企業を評する。CDPが世界約4800社以上の企業を対象に調査し、特に優れた取り組みを行っている企業を「サプライヤー・エンゲージメント・リーダー・ボード」に認定しており、2019年度は160社(うち日本企業28社)が選定された。
大和ハウス工業では、2021年度までに同社が関わるサプライヤーのうち90%以上が温室効果ガス排出量の削減目標を設定し、2025年までにはパリ協定に準じた削減目標の達成を目指している。目標達成に向けたサプライヤー・エンゲージメントの一環として、主要サプライヤーに対してアンケート調査を実施し、温室効果ガス排出量の削減目標や実績数値などを聞き取っている。
また、資材調達先や設備機器調達先のサプライチェーン組織向けに研修会を開催し、有識者による講演などを通じてサプライチェーン全体で環境負荷低減に取り組むことの重要性を共有している。同社とサプライヤーで脱炭素ワーキンググループを構築して、温室効果ガス排出量の削減目標の設定に向けた支援や具体的な活動事例の共有なども進めている。
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