立川の複合文化施設「PLAY!」が開業、館内の案内サインはバケツで:プロジェクト
コスモマーチャンダイズィングやブルーシープ、A&Bホールディングスで構成されるPLAY!プロジェクトが手掛けた東京都立川市の複合文化施設「PLAY!」が2020年6月に開業した。新型コロナウイルス対策として、来場者が入館するに際、スタッフが検温し、体温が37.5度以上なら入場を断り、施設内では3密(密閉・密集・密接)を回避する「サイレントライブ」などが行われる。
コスモマーチャンダイズィングやブルーシープ、A&Bホールディングスから成るPLAY!プロジェクトは2020年6月10日、東京都立川市で複合文化施設「PLAY!」をオープンした。
壁や天井は汚れても味になる仕様
PLAY!は、東京都立川市緑町で2020年4月に開業した敷地面積3万8900.20平方メートルの新街区「GREEN SPRINGS」内に建設された施設。1階には、美術館「PLAY! MUSEUM」、2階には屋内広場「PLAY! PARK」が配置されている。
このうち、PLAY! MUSEUMは、「絵と言葉」をテーマに掲げ、大人から子供まで楽しめる美術館となっている。毎年、ユニークな視点で作家や作品を特集する企画展と、年間を通して著名な絵本作家を紹介する常設展を同時開催していく。
企画展の第1回は、多数の賞を受賞している人気のクリエイティブ・ユニット「tupera tupera」が、顔をモチーフにした「tupera tuperaのかおてん.」を出展。常設展の初回は、日本でもファンが多い米国人の絵本作家エリック・カール氏に焦点を当て、同氏の絵本を10の遊び方に分けて紹介しながら、大型の造作物や映像、原画をディスプレイする。
美術館に併設されたミュージアムショップ「PLAY! SHOP」と飲食店「PLAY! CAFE」では、展覧会に関連したオリジナルグッズやメニューを販売する。
また、PLAY! PARKには、直径22メートルの大きな皿型のスペースや直径7メートルの小さな皿型のエリア、ワークショップが行える「ファクトリー」、絵本が読める「ライブラリー」、アニメーション作品を鑑賞できる「シアター」が設けられている。直径22メートルの大きな皿型のスペースでは当初、風船遊具「バルーンモンスター」などを用いたイベントが行われる予定だったが、新型コロナウイルス対策の一環で、当面の間は自粛し、3密(密閉・密集・密接)を踏まえた企画を提案する。
小さな皿型のエリアは、生後24カ月未満の幼児が遊べる空間となっており、ファクトリーではものづくりを主題にした催し「まいにちのワークショップ」を実施する。まいにちのワークショップでは、おもちゃや文房具で顔を作る「Let's かおPLAY!」や多様な紙に絵の具などで模様を描く「Let's PLAY! PAPER」を開く。毎週の土日や祝日には、新型コロナウイルスの感染防止に配慮した演者や観客がそれぞれ会話をしないイベント「サイレントライブ」も行われる。
グランドオープンに先立ち、2020年6月9日の内覧会で、PLAYの内装設計を担当した手塚建築研究所の手塚貴晴氏は、「PLAY! MUSEUMは行き止まりがない空間をイメージして設計しており、PLAY! PARKは大きな皿型のスペースなどで、子供が遊ぶ姿を両親が見られることを意識して設計した。トイレなどへのサインは、バケツで作成することで、遊び心を演出し、壁や天井は汚れても味になるように、素材の質感などを表面にあえて残した」と説明した。
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