隈研吾氏が手掛ける「新歌舞伎座」のデザインを継承したブライダルホテル
冠婚葬祭業のベルコは、大阪市中央区難波の新歌舞伎座跡地に、なんば駅直結の「ホテルロイヤルクラシック大阪」の出店を計画している。設計は建築家・隈研吾氏が手掛け、“ミナミの顔”である新歌舞伎座の意匠を継承したデザイン。
「ベルクラシック」などの結婚式場や全国150超の斎場「シティホール」を展開している冠婚葬大手のベルコは、2009年に閉館した新歌舞伎座跡地に「ホテルロイヤルクラシック大阪」の建設を計画している。ホテルは大阪メトロ御堂筋線「なんば駅」に直結し、開業は2019年12月の予定。
「木」をふんだんに活用し、“伝統”と“革新”を調和させた意匠
新歌舞伎座は1958年に開場したが、劇場の老朽化に伴い2009年に閉館した。歌舞伎座自体は近鉄が天王寺区上本町の近鉄劇場跡に建設した再開発ビル「上本町YUFURA」に移転。その後、跡地は2012年にベルコが取得していた。
「ホテルロイヤルクラシック大阪」の設計は、新国立競技場や根津美術館などを手掛けた建築家の隈研吾氏が担当する。新歌舞伎座の象徴である屋根の一部を保存し、長年親しまれてきた劇場の意匠を継承した外観となる見通しだ。
高層部は、アルミルーバーを複数枚重ねた繊細でダイナミックな造り。ホテル内部も隈氏のこだわりである「木」を中心に自然素材がふんだんに活用され、スタイリッシュでありながら、「和」のぬくもりが感じられる内装となる。客室の天井は勾配が付き、11階のホテルラウンジ・レストランも、さまざまな形状の勾配天井が印象的な開放感のある空間を創出する。内外装あわせ、その土地の環境や文化に溶け込む建築を得意とする隈氏ならではの「伝統」と「革新」の調和を図ったホテルとなる。
ホテルは地下1階・地上19階(塔屋1階)までの20フロアで構成。地下階はロビーやテナント、84台を収容可能な機械式駐車場を配置。1階にはエントランスロビー、2階にはレストラン、客室は12〜18階。最上階は、チャペル、アトリウム、バーラウンジ、パーティールームを整備。なお、客室数はダブル126室、ツイン15室、スイート9室で全150室。
ホテル内部には客室だけでなく、ブライダルにも対応できるよう、2つのチャペル、5つのバンケット、フォトスタジオ、ブライダルサロンを設置する。6階のチャペルは、日本の伝統や文化が感じられる印象的な空間とする。天井は羽板を組んだ美しい造形で、外観と同じく新歌舞伎座の建築を継承。ステンドグラスは和紙調とすることで、式場にまろやかな光が注ぎこむ。
ウェディングパーティーの舞台となる5つのバンケットは、天井や壁に個性的な木材を採用し、自然の息づかいとともに、都会の洗練された雰囲気を演出する。
ベルコでは「ホテルロイヤルクラシック大阪」を、歴史や文化を大切にしながらも、モダンでスタイリッシュな趣きが楽しめるホテルと位置付け、国内外から多くの人々が集う、“難波”の新しいランドマークとなることを目指すとしている。
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