調査リポート
有料職業紹介がハローワークを上回る、建設技術者の転職件数:産業動向(2/2 ページ)
ヒューマンタッチ総研は、国内における建設業の人材市場動向をまとめた2020年5月分のマンスリーレポートを公表した。今回のトピックスでは、有料職業紹介所とハローワークで建設技術者の転職動向の違いを比較している。
建築・土木・測量技術者の求人意欲は低下傾向
2020年3月の建設技術者数は41万人(同110.8%)となり、2カ月連続でプラスとなり、前年同月比でも大幅に増えた。
建築・土木・測量技術者(常用・除くパート)の有効求人倍率は、2カ月連続で低下し、前年同月よりも0.40ポイント低い6.11倍となった。
有効求人数は前年同月比91.6%、新規求人数は同95.7%で、ともに3カ月連続で前年を下回り、建設業各社の求人意欲は低下傾向が続く。
有効求人倍率の先行指標となる新規求人倍率も、前年同月比0.25ポイント低下して7.92倍。有効求職者数は同97.6%で、求職者の長期的な減少傾向が続いている。
建設・採掘の職業(常用・除くパート)の有効求人倍率は、前年同月比0.15ポイント低下して5.22倍となり、58カ月ぶりに前年同月を下回った。
有効求人数は前年同月比90.6%、新規求人数は同95.8%となり、ともに3カ月連続で前年を下回り、建設業各社の求人は減ってきている。
有効求人数は、2019年12月と2020年1月よりは増加し、10万759人であったものの前年同月比92.1%。新規求人数は3万3768人で先月より増加したが、同88.7%となり、ともに2カ月連続で前年を割り、建設業各社の求人意欲は低いことが推察される。
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