大成建設が注力する機械化施工の26年間の歴史やWELL認証取得に取り組む理由:住宅・ビル・施設 Week 2019(3/3 ページ)
大成建設は、ロボットを活用した機械化施工の導入を進めるとともに、社員の健康や環境に配慮した建物を建設し、ZEBやWELL認証の取得を進めている。
採光装置や照明・空調制御システムを導入
WELL認証に関しては、大成建設ZEB実証棟の事例を示した。大成建設ZEB実証棟は、WELL認証で、建物用途別に設定された3つの評価区分のうち、「新築/既存建物全体」のカテゴリーで、WELL認証最高ランク「プラチナ」を取得した。7分野・100項目に渡る評価内容に対し、89項目以上を満たす必要があることから、取得が極めて困難なランクで、プラチナの取得は世界初の事例(2019年7月30日時点)。
建物内にある作業と学習のスペースに配置された窓は、一部大きさが異なるが、採光装置を取り付けることで、室内全体に光を採り入れられるようにし、光に関するWELL認証の基準を満たした。さらに、搭載された照明・空調制御システムが、検知センサーで、人がいない時は自動で電源や空調を切り、無駄な消費電力をカットする点と、個別に空調の吹き出し風量や照明の出力を調整できる点も評価された。
加えて、屋内に配置された動線がフィットネス効果を備えている点と、ガーデニングスペースに、植物をLED照明で育てるキットを設けている点といったバイオフィリックデザインも、運動機会の提供やメンタルヘルスケアに貢献すると意義を強調した。
長島氏は、WELL認証取得に取り組む理由について、「働きやすいオフィスであることを国際的な認証により証明することで、人を中心に置いた経営をしていることをアピールできる。省エネと快適性を両立したオフィスを構築するきっかけになり、結果として、社員の健康増進や生産性向上につなげられる」と解説した。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 人検知センサー×ビーコンで、オフィス内のリアルタイム個人検索
大成建設は、人検知センサーとビーコンを組み合わせ、個人を特定できないデメリットや位置精度の低さといった互いの短所を補い、オフィス内の人の所在位置を高精度に把握する新システムを開発した。 - 大成建設の仮設作業所、「ZEB Ready」とBELS「5スター」国内初の取得
大成建設が建設した都内の港区と杉並区の工事作業所が、「ZEB Ready」認証と、BELSの5スターを取得した。仮設の作業所としては国内初の事例だという。 - 生体・位置・作業環境の情報を一元的に取得・分析するIoTツール、大成建設
大成建設は、インフォキューブLAFLAの協力のもと、IoTを活用した従業員の作業状況を“見える化”するツールを開発した。既に同社の土木作業所2カ所で実証実験を行ったという。 - Revitの標準アドインを目指す大成建設のBIM規格を応用技術が提供、初回で2800ファミリ