解体業への「新型コロナ」影響を独自リサーチ、自粛モードの工事減で“7割強が売上減”:業界動向(3/3 ページ)
新型コロナウイルスの感染が拡大する中、クラッソーネは解体工事会社の経営状況について、提携する解体工事会社193社を対象に実態調査を行った。調査結果によると、現在もしくは今後の業績への影響を感じている解体工事会社は、9割(90.7%)に上ることが明らかになった。
■解体業界の課題は、前回同様「産廃処理場不足・処理コストの高騰」、「人材不足」が二大課題も、ポイントはそれぞれ大幅減。3位に新規項目「契約済み工事の延期・キャンセル/工事依頼の減少・集客難」がランクイン
前回調査(2019年10月〜11月に実施)と同様、解体業界の課題についての質問では、前回と同様トップ2は「産廃処理場不足・処理コストの高騰(73.1%)」「人材不足(56.1%)」だったものの、それぞれ前回と比べて、88.1%→73.1%(▲15ポイント)、83.2%→56.0%(▲27ポイント)と大幅にポイントが減少した。
また、新規の項目である「契約済み工事の延期・キャンセル/工事依頼の減少・集客難」が46.0%と3位にランクイン。新型コロナウイルス感染拡大に伴い、ハウスメーカー、工務店経由をはじめとする工事の延期やキャンセル、工事依頼の減少、集客難が発生し、経営課題となっている一方で、解体工事需要が減少したことによって、もともとの経営課題である「産廃処理場不足、処理コスト高騰」や「人材不足」を課題ととらえる工事会社が減少しているものと推測される。
とはいえ、新型コロナウイルスの影響が高まる現在においても、「産廃処理場不足・処理コストの高騰」「人材不足」が解体業界の大きな課題であることに変わりはなく、根強い問題と捉えられている。
調査を実施したクラッソーネは今後、新型コロナウイルスの影響が長期化した場合には、業界の課題にさらに変化する可能性があるため、定期的な調査を実施していくとしている。
<調査の概要>
調査時期:2020年4月20日〜4月24日
調査対象:解体工事一括見積もりマッチングサービス「くらそうね」と提携する解体工事会社193社
調査手法:インターネットによる調査
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