国交省がテレワーク人口実態調査の結果を公表、建設業は業種別で5番目の導入率:産業動向(4/4 ページ)
国土交通省は、関係府省と連携して、テレワークの普及推進に取り組んでおり、今後の施策に役立てることを目的に、「テレワーク人口実態調査」を毎年行っている。2019年度(令和元年度)の調査では、新型コロナウイルス感染症対策として推奨しているテレワークの状況もリサーチした。
建設業の雇用型テレワーカーの割合は19%
雇用型テレワーカーのうち、業種別の割合を見ると、「情報通信業」が最も高く35.8%で、次いで「学術研究、専門・技術サービス業」の29.5%が続き、「宿泊業・飲食業」が5.4%と最も低かった。「建設業」は全業種のうち5番目となる19%となった。自営型テレワーカーでも「情報通信業」の割合が最も高く50.4%で、次に「学術研究、専門・技術サービス業」で32.7%後に並び、「医療、福祉」が8.0%と最も低かった。「建設業」は15.9%で、全業種のうち10番目となり、雇用型テレワーカーより低い値となった。
雇用型テレワーカーのうち、勤務先に「テレワーク制度などが導入されている」と回答した人の割合が19.6%で、回答した人の中で、実際にテレワークを行ったと回答した人の割合は、49.9%となった。「制度などが導入されていない」と回答した人のうち、テレワークを行ったと回答した人の割合は6.3%にとどまり、「制度が導入されている」と回答した)人が、テレワーカーの割合が高い傾向にあることが明らかになった。だが、雇用型就業者のうち、テレワーク制度に基づくテレワーカーの割合は、前年度の10.8%から9.8%と微減した。
雇用型で、企業規模別テレワーク制度の導入割合は、1000人を超える従業員数の企業で、「制度が導入されている」と回答した人の割合が32.0%で最も高く、従業員数が増えるほど、テレワーク制度の導入割合が高まる傾向にあった。
雇用型テレワーカーのうち、テレワークの実施効果について、「全体的にプラス効果があった」と回答した人の割合は、54.7%で、回答者のうち、テレワーク実施のプラス効果については、「通勤時間と移動時間が減った」と回答した人の割合が53.4%と最も高く、次に「自由に使える時間が増えた」という回答が50.6%で続いた。
非テレワーカーのうち、今後テレワークを「してみたいと思う」と回答した人の割合は43.3%で、実施意向のある雇用型非テレワーカーが、テレワークを実施してみたいと思う理由として特に多かった回答は、全体の71.9%が答えた「通勤時間と移動時間が削減できそうだから」と68.0%が回答した「自由に使える時間が増えそうだから」の2つだった。
この他、テレワークの実施場所や平均仕事時間は、サテライト型が在宅型やモバイル型よりも高く、50%以上で推移している。テレワークの実施場所別での平均仕事時間は、サテライト型が1日4.0時間、在宅型が1日3.5時間、モバイル型が1日2.2時間で、サテライト型の平均仕事時間が最も長いことが判明した。
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