「AutoCAD 2021」発売、設計業務のテレワークをサポートする機能拡充:CAD
オートデスクは、建設・製造向けCADソフトウェア製品の新バージョン「AutoCAD 2021」「AutoCAD LT 2021」「AutoCAD 2021 for Mac」「AutoCAD LT 2021 for Mac」を国内で発売した。
オートデスクは2020年4月16日、AutoCAD、AutoCAD LTの最新バージョンをリリースした。2019年までMac版は、Windows版と発売時期が異なっていたが、今回からは同時となった。
最新版では、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大に伴う昨今の在宅勤務やテレワークの拡大を考慮して、AutoCADのシングルユーザーサブスクリプションで、自宅PCやタブレット、スマートフォンにも、1ライセンス3台までインストールして利用できる。さらに、AutoCAD web アプリ及びAutoCAD モバイルアプリで、場所にとらわれず最新の図面を編集可能なメリットも強調し、フレキシブルなワークスタイルを訴求している。
主な新機能は、図面に加えられた変更を時系列で表示して、以前のバージョンを確認する「図面履歴」と、2つの外部参照ファイルを比較して作業中の図面に直接変更を反映する「外部参照比較」。
機能強化では、デスクトップ版AutoCADやAutoCAD Web アプリの「ライブラリ」タブからブロックを効率的に挿入可能な「ブロック パレット」、図面のオブジェクトの面積や周長など、累積面積と周長といったカーソル周辺のジオメトリの測定値をすばやく計算する「クイック計測」、トリムと延長コマンドに加わったクイックモードで全ての境界候補を自動的に選択するため、境界となるオブジェクトをその都度、指定する必要が無くなった「トリム及び延長」などを拡充した。
また、業種に特化した7つの「業種別ツールセット」を提供。AutoCAD 2021(Windows/Mac)のサブスクリプションを購入すると、建築設計、設備設計、プラント設計、ラスター画像処理、電気制御設計、地図情報、機械設計の7つに特化した機能やライブラリを使うことができ、設計作業が効率化される。ツールセットには、平面図、立面図、断面図などの自動作成をはじめ、75万点を超える記号やパーツが用意されたライブラリ、空調設備や配管、電気系統のためのダクトや電気ケーブルの設計にツールセットが用意されている。
サブスクリプションの価格は、AutoCAD 2021(Windows/Mac)が 年額20万9000円、AutoCAD LT 2021(Windows/Mac)が年額6万4900円(ともに税込み)。
なお、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の世界的な社内変化に配慮して、オートデスクでは、AutoCAD web アプリをはじめ主要クラウドコラボレーション製品の一部を“無料開放”した特別プログラムを展開している。対象となる製品とサービスは、BIM 360 Docs、BIM 360 Design、Fusion 360、Fusion Team、AutoCAD Web and Mobile、Shotgun。いずれも商業利用は可。プログラムの期限は、2020年5月31日の予定。
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