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iPad/iPhoneを使った配筋検査システム「SMileSite」、三井住友建設の全建築現場に適用:現場管理
三井住友建設は、建築現場での生産性向上を目的に、スマートデバイスを活用した施工管理システム「SMileSite」を同社が手掛ける全建築現場で採用していくことを決めた。
三井住友建設は2020年3月26日、全建築現場を対象に、自社開発した施工管理システム「SMileSite(スマイルサイト)」の導入を開始した。
配筋検査の作業時間が半減
SMileSiteは、iPadまたはiPhoneを使って建築現場での配筋検査業務を省力化するシステムで、検査結果の入力や写真撮影後はデータをサーバに転送するだけで、検査帳票や写真台帳が自動作成される。紙とカメラで行っていた従来方法と比べると、配筋検査に関わる作業時間の半減が見込まれる。
システム開発は2014年11月から実証実験を重ね、対象の現場を拡大しながら、検査項目の拡充など継続的なシステム改善と直感的に使えるインタフェースの改良を行ってきた。現在は、鉄筋継ぎ手、鉄骨、プレキャスト、住戸内の仕上げなどの検査にも対応し、建物の構造や用途に応じた活用が可能だという。
操作方法は、スマートデバイスでSMileSiteを開き、図面上の検査対象部位をワンタッチすると、部材情報などの検査画面が表示される。検査項目にチェックを入れていき、現場の写真を撮影して、本社のサーバにデータを送れば、写真台帳やチェックシートが自動で出力される。今までのように写真をPCに取り込んだり、黒板に記入したりする必要が無くなり、月あたりの作業時間の換算で53%が削減されるという。
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