技研製作所の「ジャイロパイラー」が日本機械学会優秀製品賞:産業動向
技研製作所が製造販売する鋼管杭回転切削圧入機「ジャイロパイラー」が、日本機械学会優秀製品賞を受賞した。
技研製作所は2020年4月15日、製造販売する鋼管杭回転切削圧入機「ジャイロパイラー」が日本機械学会の優秀製品賞を受賞したと明らかにした。
低コストでスピーディー、従来工法の無駄省く
日本機械学会優秀製品賞は、社会的価値の高い優れた製品に光を当て、企業の進化、発展を支援することを目的に、日本機械学会が毎年、学会特別員を対象に表彰している制度。評価基準は、技術力や関連特許、論文、販売実績で、2012年度には技研製作所の地下機械式駐輪場「エコサイクル」も受賞している。
受賞したジャイロパイラーは鋼管杭に「リングビット」と呼ばれる切削爪を装着して回転させ、地盤を切削しつつ圧入し、地震や津波に粘り強く耐えるインプラント構造物を短期間で構築する。従来工法では、施工が困難だった硬質地盤に難なく貫入できる他、既存のコンクリート構造物や地中障害物も撤去すること無く圧入可能で、現状を維持したまま機能を強化することができる。
ジャイロパイラーはそもそも2002年に、無公害杭圧入引抜機のサイレントパイラーで培った技術を基に開発した。硬質地盤やコンクリートが残る地盤に鋼管杭を打つ際、従来工法では別機材で地盤を掘削し、砂に置き換えるなどの作業が必要となるが、ジャイロパイラーではその手間が要らず1台で完了する。
また、独自のシステムで施工した杭の上を自走できるため、広大な作業スペースや作業用の仮設工事が不要で、狭隘(きょうあい)地や頭上空間が制限された都市空間などの現場にも対応する。既存構造物を残したまま省スペース施工ができるジャイロパイラーは、都市再整備をはじめ、防潮堤や橋梁(きょうりょう)、擁壁などの災害復旧、事前防災でも国内外で導入されているという。
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