5Gで東京〜北海道の“動くサイネージ”を遠隔操作、施設で有効な広告モデルを検討:産業動向
NTTコミュニケーションズとNTTドコモは、第5世代移動通信方式「5G」を用いた商業施設内で役立つ広告配信サービスの開発を進めている。
サッポロ不動産開発やNTTコミュニケーションズ、NTTドコモは2020年1月22〜23日、北海道札幌市の複合商業施設「サッポロファクトリー」で、第5世代移動通信方式「5G」を活用して、ソニーが開発したカート「SC-1」を使った実証実験を実施した。
来館者の行動分析などに取り組む
実験では、5G伝送により、都内でNTTドコモが主催したイベント「DOCOMO Open House 2020」(会期:2020年1月23〜24日、東京ビッグサイト 青海展示棟)の会場からSC-1が遠隔運転され、SC-1は営業中のサッポロファクトリー内を走行した。
また、NTTドコモの広告通信用クラウド「ドコモオープンイノベーションクラウド」を用いて、サッポロファクトリー内に設けられたテナント店舗の広告映像などをSC-1に装着されたデジタルサイネージに、リアルタイムに配信した。施設内に配置されたビーコンで得られた来場者の匿名位置情報を使用し、人流解析と広告効果の測定も進められた。
SC-1の実走場所は、サッポロファクトリー地下1階のアトリウムで、人流解析は施設内の実験参加店舗近辺で行われた。
実験で得られた情報は、遠隔運転が有す可能性やドコモオープンイノベーションクラウドを活用した新たな広告配信の検討、デジタルサイネージが及ぼす作用の検証、人流解析による来館者の行動分析などに利用された。
今後3社は、実験で獲得した成果を生かし、全国の複合商業施設やテーマパークなどで、従来にない広告配信サービスの創出を目指し、新規ビジネスモデルを探っていく。さらに、各施設への送客や顧客に適切な案内などを提供する機能を付加するとともに、デジタルサイネージ配信とAIなどを組み合わせた有効な広告配信の将来像も研究する。
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