ニュース
西松建設が覆工コンクリートの打込み自動化システムをトンネル工事に適用: 山岳トンネル工事
西松建設は、覆工コンクリートの打込み作業を自動化する「コンクリート配管切替システム」(エレファントノズル自動配管システム)を開発し、福島県のトンネル工事に適用した。
西松建設は、岐阜工業とともに、覆工コンクリートの打込み作業を省人化し、自動化施工にも対応した「コンクリート配管切替システム」(エレファントノズル自動配管システム)を実用化させた。新システムは、覆工コンクリートの自動化施工技術を担うソリューションの一つとして位置付けられている。
コンクリート圧送配管の切替えをタブレット上で遠隔操作
コンクリート配管切替システムは、山岳トンネル工事での覆工コンクリートの打込み作業で、コンクリート圧送配管の切替えをタブレット端末を用いた遠隔操作で制御する。
セントル(移動式型枠)の型枠面に取り付けたコンクリートの打ち上がり高さを検知するセンサーやコンクリートポンプとも連動。コンクリートが所定の高さまで打ち上がると、ポンプからの輸送を停止し、配管を自動で切り替え、次のブロックへコンクリートを打ち込むまでを自動化する。
これにより、従来の履行コンクリートの打ちこみのように人の手で配管を切り替える必要が無くなり、自走式マニピュレータが所定の配管孔まで移動して自動接続し、即コンクリートを圧送するため、労力の軽減だけでなく、安全かつ効率化が図れる。同時に、配管の切り替えに伴うコンクリート打込み作業の中断を最小限に抑えられるため、打ち重ね時間が短縮され、施工品質が向上する。
新システムは、既に西松建設が福島県内で施工している国道294号(仮称)五郎窪トンネル工事の「自動化セントル」に搭載されたという。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 西松建設で現場の事務業務が“35%削減”、富士ゼロックスが複合機とクラウド連携サービス
富士ゼロックスは、建設現場の働き方改革を支援するサービスの提供を開始した。同社の複合機を活用し、クラウドストレージ「Working Folder」とデータ処理サービス「かんたんデータエントリサービス」を連携させたもので、データ入力や書類作成に関わる業務を簡略化させる。既に西松建設の現場に導入され、データ入力や書類作成の業務で35%が削減されたという。 - 西松建設が30階建て高層ビルの現場にWi-Fi環境を構築、LANケーブル敷設が不要に
西松建設は、地上30階建ての高層ビルの建築現場で、実用的なWi-Fi環境の構築に成功した。無線LAN機器が互いに中継し、ビルの吹き抜けを利用して建物内に通信網を確立し、これまで必要だったLANケーブルの敷設は地上の親機だけで済むようになる。 - 西松建設ら、アプリで切羽評価を行える「切羽評価システム」を開発
西松建設はsMedioと共同で、山岳トンネルの切羽評価を行うためのAI(人工知能)活用技術『切羽評価システム』を開発した。観察作業の効率化や評価精度の向上を目指す。 - 西松建設のコンクリ保温/保湿養生シート「シンプルキュア」を函体に適用、表層品質が大幅向上
西松建設は、コンクリート用保温/保湿養生シート「シンプルキュア」を推進工法の“函体養生”に適用した。 - 西松建設が覆工コンクリート施工作業を完全機械化化し現場に導入
西松建設は、作業員の高齢化や新規入職者の減少を踏まえ、山岳トンネル工事の覆工コンクリート施工作業を完全機械化した「自動化セントル」を開発した。