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清水建設が北陸初のゼロ・エネルギー・ビルに着手スマートビル

清水建設は、省エネルギー性能を備えた新社屋の建設工事に着手し、北陸地域初の「ゼロ・エネルギー・ビル(ZEB)」の実現を目指す。年間のCO2排出量を370トン程度削減できる見込み

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 清水建設は金沢市玉川町の北陸支店旧社屋の解体工事を2020年3月中に終え、省エネルギー性能を備えた新社屋の建設工事に着手する。

 規模は地下1階、地上3階、延床面積約4100平方メートル。完工は2021年2月の予定で、北陸地域初の「ゼロ・エネルギー・ビル(ZEB)」の実現を目指す。これにより、年間のCO2排出量を370トン程度削減できる見込みだ。「北陸の地域・未来とつながるオフィスづくり」を設計コンセプトとし、“未来につなげる新技術の採用”、“金沢の歴史・伝統との融和”、“働き方改革、健康増進に資するオフィスづくり”を進める。

 核となる新技術は、水素利用蓄電設備、太陽光発電、輻射(ふくしゃ)空調、地域特性を生かした地中熱利用や自然通風・採光など多岐にわたる。こうした取り組みが評価され、今回の建替計画は2019年度の国土交通省「サステナブル建築物等先導事業(省CO2先導型)」および環境省「水素を活用した自立・分散型エネルギーシステム構築事業」に採択されている。

 水素利用蓄電設備には、産業技術総合研究所と共同開発した建物付帯型水素エネルギー利用システム「Hydro Q-BiC」を適用する。太陽光発電の余剰電力を使用し、水素を製造・貯蔵し、BCP対応などの必要時に抽出して電力に変換できるという。新社屋が北陸初の水素エネルギー利用ビルとなり、国内最大級の水素蓄電設備(容量2000キロワット・アワー)を採用する。

水素利用蓄電設備
水素利用蓄電設備「Hydro Q-BiC」 出典:清水建設

 一方、新社屋外観は、金沢の歴史・伝統との融和を目指した。金沢に多く残る町家と調和するよう格子状の外観とし、木虫籠(きむすこ)や格(ごう)天井を現代の技術で再現する。外周フレームは構造体の耐震壁としても機能し、地震時に建物に作用する力を100%負担する仕組みだ。

北陸支店新社屋の外観
古都にふさわしい端正な佇まいを表現した北陸支店新社屋の外観 出典:清水建設

 また、オフィス空間は、多様な働き方に対応できるようにフリーアドレス化を図るとともに、ペーパーレス化を推進する。

広々としたオフィス空間
広々としたオフィス空間。吹き抜け空間を覆う耐火木鋼梁(たいかもっこうはり)の格(ごう)天井が特徴的 出典:清水建設

 同社では、今回の新社屋を施工期間中からショールームとして活用し、水素利用蓄電設備を始めとする最先端技術を広くPRしていくとともに、使用開始後はZEB、WELL、LEEDの各認証取得に取り組み、建物の付加価値を高めていくという。

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