三菱地所グループ初、フィリピンの住宅開発計画に着手:海外事例
三菱地所レジデンスは、東南アジア諸国の中でも高い成長率を誇るフィリピンで、現地デベロッパーとともに再開発を推進している。
三菱地所レジデンスは2019年11月、フィリピンに本社を構える大手ローカルデベロッパーVista Land & Lifescapesの100%子会社Vista Residencesが推進する分譲マンション開発計画「Taft Project」に参画することを発表した。
Taft Projectは、三菱地所グループ初となるフィリピン内での住宅開発計画で、2020年内に着工し、竣工は2024年を予定している。
若年層の需要を考慮した構造
Taft Projectの分譲マンションは、地上40階建てで、延べ床面積が3万7000平方メートル。所在地はフィリピンマニラ市タフトアベニューで、敷地面積は1731平方メートル。総戸数は1036戸で、各戸に占める専有面積は23.28〜42.65平方メートル。用途は分譲住宅と商業施設(地上階)。
計画地2キロ圏内には、国立および私立大学が集積していることから、学生を中心とした若年層向けの住宅が多く供給されており、子を持つ親世代からのニーズが見込まれている。分譲マンションが位置するメトロマニラ(マニラ広域首都圏)は、主要エリアを結ぶ公共交通機関であるLRT(フィリピン・ライトレール)の駅からも徒歩3分とアクセス性に優れている他、周辺には飲食店や商業施設も数多く存在し、生活利便性も高い。
主な居住者である若年層の需要を考慮し、分譲マンションの共用部にはカフェやレストラン、コンビニといった店舗を整備するとともに、コワーキングスペースや自習室、プールやフィットネスジムなどの設備も設ける。
三菱地所グループでは、2019年8月に発表したオフィス開発プロジェクト「Savya Financial Center North Tower」を第1号案件として、フィリピンでの開発事業に参入し、今回の案件が同国内で2件目となる。フィリピンは、実質GDP成長率が約6.6%(2016〜2018年平均)で、ASEAN諸国の中でも伸長しており、2050年頃まで労働人口の増加が続くなど今後も継続的に発展が見込まれる。
三菱地所グループは、このような伸展が想定されている海外市場での取り組みを、今後さらに加速させていく方針だ。
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