三菱地所がロンドン・シティの超高層オフィスビル2棟着工、ウィルキンソン・エアが設計を担当
三菱地所は2019年3月25日、英ロンドン・シティの再開発計画「(仮称)8 Bishopsgate」の建築工事に、2022年末の完成を目指して着手した。これまで三菱地所では、1985年にロンドン・シティのオフィスビル「Atlas House」の取得を機に、英国での事業をスタート。翌1986年に現地法人を設立して以降、30年以上にわたり、オフィスビルの開発・賃貸事業を展開し、ここ数年は2014年にパリ、2017年にミュンヘンと、欧州で積極的に事業エリアを拡大している。
三菱地所は子会社の「三菱地所ロンドン社(Mitsubishi Estate London Limited)」を通じ、2019年3月25日に英ロンドン・シティの再開発計画「(仮称)8 Bishopsgate(ビショップスゲート)」の建築工事に着手した。
賃貸可能面積は旧2棟の約2.8倍に増大、環境評価BREEAM認証を取得
プロジェクトは、保有する隣接した2棟のオフィスビル「6-8 Bishopsgate」と「150 Leadenhall Street」を一体で建て替え、51階建ての超高層オフィスビルに生まれ変わらせる。
設計はロンドンの建築家クリス・ウィルキンソン氏とジム・エア氏が率いる建築設計事務所「Wilkinson Eyre(ウィルキンソンエア)」が担当。 同事務所は、中国・広州国際金融センターやバタシー発電所の再開発の一部を手掛けたことなどで知られる。施工はオーストラリアに本社を置く「Lendlease(レンドリース)」が建築主の代行者(コンストラクションマネジャー)となり、CM方式の分離発注で行った。
8ビショップスゲートの最高高さは204メートルで、延べ床面積は8万5000平方メートルとなる見通し。賃貸可能面積は、既存2棟の約2.8倍に相当する5万3000平方メートル。建物は高層(27〜48階)で基準階面積750平方メートル、中層(12〜26階)は1300平方メートル、低層(3〜11階)は1700平方メートルと、それぞれに異なる面積のオフィススペースを提供し、幅広いテナント需要に対応する。
外観は、全面ガラス張りが特徴で、環境性能とメンテナンス性に優れた密閉型ダブルスキンの「クローズドキャヴィティファサード」を採用。他にも、雨水を中水として再利用するなど、環境面にも配慮し、英国の建築環境評価「BREEAM認証」の“Excellent”を取得する。
中間階には屋外テラスのほか、屋内に共用ワークスペースやイベント・交流施設、地下には大規模駐輪場を整備し、ロンドンでの多様な働き方のニーズに応える。最上階の西側半分は公共貢献を目的に、展望ギャラリーとして一般開放する。残りの東側半分は、テナント企業向けイベントスペースや貸し会議室としての利用を見込む。
低層部のオフィスエントランスは、対象地西側の道路Bishopsgate(ビショップスゲート)と南側のLeadenhall Street(リーデンホール・ストリート)の両方からアクセス可能な2層吹き抜けの開放感あふれる空間としている。
計画地は、歴史的な金融地区で弁護士/会計/税理士事務所などのプロフェッショナルファームをはじめ、多様な企業が集積するシティ・オブ・ロンドンの中心地に位置し、リーデンホール・ストリートに面した大手保険会社のロイズ本社ビルに隣接する。敷地面積は3460平方メートル。
既存ビルは、1979年に竣工した23階建て「6-8 Bishopsgate」と、1977年竣工の8階建て「150 Leadenhall Street」の2棟が建っており、2011年に三菱地所が取得していた。
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