デルタ電子のLOYTEC最新コントローラーは、“顔認証”などIoTへ対応:第4回 スマートビルディング EXPO(2/2 ページ)
デルタ電子のビルオートメーションシステムは、日本のビル建て替え需要をターゲットに、基幹となるLOYTECのコントローラーを多様な機器に応じられる“オープン通信プロトコル”としている。現在は、スマート照明や顔認証など進化するIoTデバイスも、BAS上での一元的な制御を目指し、クラウドと連携する目的でプラットフォームにJavaScriptを採用。同時に将来的な遠隔でのビル多棟管理を見据え、Webインタフェースの開発も進めている。
最新のハイブリッドコントローラー
会場では、IoT対応のBASプラットフォーム提案に併せ、既存システムをアップグレードするために、最も柔軟なLOYTECの一元管理型ハイブリッドコントローラー「LIOB-585」も出品した。LIOB-585は、異なるシステムの統合を通じてシステム間の相乗効果を最大化し、従来型のフィールドバスシステムとIP間のギャップを解消する。
構成もシンプルで、インタフェースはIP接続のための中間レベルや監視デバイスを必要とせず、スケジューリング、エネルギー使用量のモニタリング、気象サービスなどを備える他、異なるIoTデバイスの基幹システムへアクセスすることも可能だ。
ビルセキュリティだけでなく、店舗マーケティングにも
他の展示では、デルタグループ内VIVOTEKのフィッシュアイ(魚眼)カメラと人数カウントカメラを用いたスマート統合監視プラットフォームのデモンストレーションを行った。
魚眼カメラ「VIVOTEK Fisheyeカメラ」は、天井に設置すれば周囲を360度監視し、壁付けにすればカメラ前面の被撮影者を深層学習ベースの顔認識システム「CyberLink FaceMe」で、「性別」「年齢」「感情」「ポーズ」などを解析する。何者かがビル内の立入禁止区域に入り、カメラとAIでデータベースに登録されていない不審者と判定されたときは、警備員やテナントの店員に警告を発し、ビルの物理的なセキュリティに役立つ。
人数カウントカメラも組み合わせて使えば、カメラ前を通り過ぎる人間をカウントすることで、時間ごとの人の流入が可視化。魚眼カメラのデータで、人の多いまたは少ないエリアもヒートマップで表示されるため、AIによる人の属性データを組み合わせれば、小売業などの顧客統計や精密なマーケティングにも活用でき、店舗の売り上げ増加や効率的なスタッフ配置も可能になる。
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