汎用性が高いオープンな三機工業のBAS、スマホとクラウドで設備仕様をAR表示:第4回 スマートビルディング EXPO
三機工業は、スマートビルディング EXPOで、BASがオープンシステムであることのメリットを示した。最新サービスでは、独自のクラウドと連携して、スマホ上でビル設備の稼働状況を見える化する他、スペックやログなどをARで表示できるアプリも紹介した。
三機工業は、「第4回 スマートビルディング EXPO」(2019年12月11〜13日、東京ビッグサイト 青海展示場)で、「ビルに、オフィスに、『次へ』の軸を。」をテーマに、SANKIのスマート・ファシリティマネジメントを掲げたビルオートメーションシステム(BAS)を訴求した。
システムインテグレーターとしてBASを提案
三機工業は、建物の中枢神経を司るビルの中央監視システム「SanBACS」をいち早くオープン化。これまで一般的にBASは、単独メーカーの製品で構成されていることが多かったが、オープンシステムとなったことにより、世界標準で汎用性が高くなり、多様なメーカーのシステムやデバイスに接続することが可能になった。そのため、三機工業では複数社の設備機器やデバイスを組み合わせて、BASの構築/運用を一括で引き受けるシステムインテグレートの立場で提案している。
ブースでは、SanBACSの活用例として、オフィスビルを想定して社員のスマートフォンを使った設備制御のデモンストレーションを実演した。社員に扮したスタッフが、手持ちのスマートフォンをIDカード替わりに、SanBACSでつながった認証危機にかざして入館。ビルまたは部屋に入ったことが認識されると、空調も連動して自動化で運転を開始する。退館時にも、BASでリンクしている空調機器が自動で切れるので、誰もいないのに空調が動いているなど無駄の削減につながる。
また、モバイル端末用のビルメンテナンスアプリ「Mobile Facility Control System」で、ビル設備の稼働状況が視覚的に把握できる機能も解説した。アプリ上では、各部屋の温度、湿度、Co2、照明のON/OFF、ドアの開閉錠がアイコンや数字で表示される。
設備点検の際にも、機器にQRコードを貼り付けておき、これをスマホのカメラで読み取れば、AR形式でカメラ映像をバックに各種情報が画面に映し出される。
データ自体は、三機工業のクラウドサービスプラットフォーム「エスクラウド」上に格納されている。機器のスペック以外にも、これまでの「異音あり」といったログや図面、マニュアルもひも付けられる。
エスクラウドは、建築設備、環境システム、情報通信業も営んできた三機工業が長年のノウハウを生かして、独自で構築したクラウドインフラ。ネットワーク環境やサーバなどをクラウド上で仮想化し、多様なアプリケーションをネット経由で提供する。ユーザーのニーズに合わせたサービスを実装できるのが特長で、複数のパブリッククラウドを連携させたマルチクラウドとなっている。
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