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施設に開放感を与える“空をつくる窓”を開発パナソニックが考える「2020以降の街づくり」(2/2 ページ)

パナソニック ライフソリューションズ社 ライティング事業部は、パナソニック製スポット型プロジェクター「Space Player 」のショールーム「Space Player LAB」の展示物を拡充している。2019年2月には、天窓を人工的に再現する空間演出システム「天窓照明」が加わり、来場者に注目されている。

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Space Playerで日差しを表現

 特に来場線の視線をクギ付けにするのは、天窓を人工的に再現する空間演出システム「天窓照明」。2019年7月から受注期間1年間、50基の数量限定で発売されている製品で、Space Player LABには同年2月から設置されている。


青空が投影された天窓照明

 天窓照明は、天窓をイメージした本体に、青空と形を変えながら流れる雲を投影可能で、実際の窓のような奥行き感や雲の立体感、窓から入る外光の明るさを感じられるのが特徴。窓が無い空間に明るさだけでなく、開放感を与えられるのがメリットだという。パナソニック ライフソリューションズ社と京都府立大学の共同研究の結果でも、天窓照明が窓の無い場所でも開放感や活気、リラックス感を創出することが明らかになっている。

左から夕焼け雲、おぼろ月の映像投影

 青空以外には、夕焼け雲、おぼろ月、水面、竹林、サメ、川といったコンテンツを映し出せる他、タイマーで投影時間を変えられ、投射する内容を時間帯ごとに設定することにも対応している。また、1つの映像を複数の本体に分割し、同期させて再生することにも応じており、最大9基まで連動する。

左から竹林、サメの映像投影
Space Playerで床面に映し出された映像(左から竹林、サメの映像投影)

 システムのワークフローは、米Brightsign製サイネージプレーヤー「Brightsign」からSDI変換機を介して、本体に映像を送り、本体が内蔵したLEDディスプレイにさまざまな映像コンテンツを映し出す。

 本体のサイズは、埋め込み穴口が750×750ミリ、器具寸法が766×766ミリ、発光部開口が640×640ミリ、高さが312ミリで、重さは32キロ。スクエア照明と同等の施工性を有し、スラブに取り付けた4本の吊(つ)りボトルで固定する。


パナソニック ライフソリューションズ社 新事業推進部 インキュベーション推進課 主幹の山下卓哉氏

 Space Playerと連携させることで、天窓照明とリンクした映像を床に投影し、日差しを表現でき、エアーカーテンやスピーカー付きのダウンライトを組み合わせれば、音と気流による演出も加えられる。

 2019年11月14日に都内で行った取材で、パナソニック ライフソリューションズ社 新事業推進部 インキュベーション推進課 主幹の山下卓哉氏は、天窓照明について、「ライティング事業部の中期計画における新事業創出の一環として、開発・販売している製品だ。期間と出荷数を限定している背景には、初期顧客の意見を集めながら、製品の改善や新しい映像コンテンツの開発などを進める“拡張型エンジニアリング事業”を確立する狙いがある」と説明した。

 さらに、「想定する利用シーンは、病院の待合室や会議室、地下街、企業のエントランスで、例えば、病院では外出が難しい患者の気分転換に役立てられると考えている」と続けた。

 天窓照明は本体2台セットでシステム設定を含め400万円(税別)で、基本映像コンテンツとして、青空、夕焼け雲、おぼろ月を備えており、水面、竹林、サメ、川はオプションで、それぞれ10万円(税別)。また、オリジナルの映像コンテンツの製作にも対応するという。

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