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戸田建設がトンネル工事のレール移動を自動化、省人化と安全性向上を実現山岳トンネル工事(2/2 ページ)

山岳トンネル工事などで行われるレール移動作業は効率性が問題となっていた。例えば、延長1000メートルのトンネルの場合、レール移動回数は作業台車とセントルを合わせて約200回にもなり、1回の移動で約30分要するとともに5〜6人の作業員が必要だった。こういった状況を踏まえて、戸田建設と岐阜工業はレール移動作業を自動化する急曲線対応型自動レール移動システム「Rail Walker System」を開発した。

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特殊レールなどの6つの機器でシステムを構成

 曲率の大きい(緩曲線)鉄道トンネルの他、ランプトンネル水路トンネルなど曲率の小さい(急曲線)のトンネルにも適しているという。現在施工を進める「福島県博士トンネル工事(昭和村側工区)」では、曲線長さ2265メートル、最小曲率350メートルのトンネルで、作業台車にシステムを導入し、有効性を確認した。


Rail Walker Systemを現場適用した「福島県博士トンネル工事(昭和村側工区)」 出典:戸田建設

 この現場では、Rail Walker Systemに加え、トータルステーションの使用によるスライドセントルなどの半自動設置システムを開発中であり、操作性や有効性の検証を通じさまざまなデータを取得している。


Rail Walker Systemの6つの特殊装置 出典:戸田建設

 システムは主に、前後方に張り出せる高剛性レール(特殊レール)や特殊レールを前後に移動させる装置、特殊レールを浮かせられる車輪(特殊車輪)、特殊アウトリガーに取り付けられ、特殊レールと作業台車を上昇下降させられるジャッキ装置(上昇下降ジャッキ装置)。これらに加え、作業台車に搭載する特殊アウトリガーを回転させる装置、特殊アウトリガーに装着する特殊レールと作業台車の回転装置で構成されている。


Rail Walker Systemの主要ステップ概念図 出典:戸田建設

 今回、現場適用した「Rail Walker System」は、アーチ鉄筋組み立てや防水シート張り用の作業台車だが、今後は、覆工コンクリート用のスライドセントルへの適用も検討している。なお、複数の現場に導入して改良を加え、システムはNETIS登録後に、岐阜工業からの販売を予定している。

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