ARにより風向を3Dで表示する「ワイヤレス3次元風向風速計」を開発:第2回 AI・スマート住宅 EXPO(2/2 ページ)
東芝情報システムは、3Dの矢印で風向を確かめられ、風速や温度、湿度、CO2、総揮発性有機化合物(TVOC)も調べられる「ワイヤレス3次元風向風速計」を開発した。現在は、計器のアナログメーターを自動で読み取れるシステムの製品化を進めている。
ARで計器のメータ−の数値が異常かを表示
アナログメーターの自動読み取りシステムは、Dynabook製エッジコンピュータ「DE100」とメガネ型ウェアラブルデバイス「AE100」で計器のメーターが表示する数値を自動で読み取り、その数値が正常値か異常値かをARでAE100の画面上に投影し、作業をサポートする。
具体的には、DE100を接続したAE100で計器やメーターの種類を特定するQRコードを読み込んだ後、計器をAE100で捉えることで、DE100がその数値を解析し、計器のメーターが正常値なら青枠で、異常値だと赤枠で囲まれるAR表示がAE100の画面上で展開される。
東芝情報システムが2019年9月にリリースしたウェアラブルグラス用遠隔サポートシステム「指南名人」と連携できるのも特徴の1つ。指南名人は、現場作業者とノウハウを持つ技術者のビデオ通話を行え、遠隔地からの業務サポートを容易にする。
作業者がウェアラブルグラスで見ている映像を共有するだけでなく、技術者が映像に直接リアルタイムで手書きで指示することにも応じており、意思疎通を円滑に進められる。AE100の画面では、動画や資料の閲覧、録画・写真撮影、音声録音を音声コマンドだけで操作可能なため、現場の負担軽減や証跡の採取も簡単に行える。
さらに、事前に作成したワークフローに基づく音声ガイドに作業者が答えることで、業務と同時に作業報告書を自動生成し、作業漏れを軽減する。
担当者は、「アナログメーターの自動読み取りシステムで、異常値を検出した際には、指南名人で遠隔地の技術者に対処法を指示することが可能なため、経験の浅い作業者でも適切な復旧作業が行える」とコメントした。
なお、このシステムは、ザクティ製ウェラブルカメラ「CX-WE100」を備えるメガネスーパー製ウェアラブルグラス「b.g.」にも対応している。発売時期は未定だという。
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