ニュース
BPM、AR技術を活用した建物メンテナンス履歴管理アプリを開発:AR
BPMは、ARを活用した建物メンテナンス履歴管理アプリ「Qosmos AR」を開発した。アプリに記録・保全した三次元(3D)データを閲覧することで、作業現場外から空間情報を把握できるようになる。
SaaS型建物メンテナンスERP開発を行うBPMは、AR(拡張現実)技術を応用した建物メンテナンス履歴管理アプリ「Qosmos AR」のiOS版を開発したことを明らかにした。
Qosmos ARは、AR技術を活用した座標認識により施工現場の空間情報を3Dデータとして記録・再現できる。この機能により、ARで検出した平面への3Dピンの設置や簡易な3Dモデルの作成、サイバー空間上における3Dピンや3Dモデル写真の確認などが可能となった。
Qosmos ARを導入した端末で現場を撮影していくだけでサイバー空間上に修繕履歴が蓄積されるので、現地に行かずとも建物内の設備情報や修繕履歴を把握できるようになる。こうしたデジタルツイン環境の実現によって、建設現場におけるメンテナンス業務の効率化が期待できる。
BPMは2011年の創業以来、建物メンテナンスの施工管理やリノベーションなどを行ってきた。2017年からはそれまでに培ったノウハウを生かし、建物メンテナンスの改善や効率化を目的とするSaaS型建物メンテナンスERPの開発に注力している。SaaSはアプリケーションをユーザー側でなくプロバイダー側のコンピュータで稼働させ、ユーザーはアプリの機能を必要な時に必要な分だけネットワーク経由で利用するサービス形態。
同社は今後もQosmos ARの開発を続け、先進的な機能の試作・実装を進めていくとしている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 現場周辺の“地中埋設物”をタブレット上にARで可視化、清水建設
清水建設は、GNSS測位法とAR技術を応用し、実際の風景に埋設物の図面を重ねて投影する「地中埋設物可視化システム」の開発に成功した。現場にタブレット端末を持ち込み、システムを立ち上げるだけで、現在地の地中に埋設されている構造物が図面として表示される。図面リストの中から必要なデータをタップすれば、タブレットのカメラで映した実際の風景に、埋設物がオーバーラップして見える仕組み。 - 港湾工事の船舶をARでナビ、工事車両への適用も可能
東亜建設工業は、港湾工事にAR技術を用い、船舶を安全に航行させる「ARナビ」を開発した。このシステムは、船舶だけに限らず、トラックなどに搭載して日々運行ルールが変化する土木の建設現場でも有効利用することができる。 - CIM×ARのインフラ維持管理、点検画像と変状情報を点群データ上に表示
建設コンサル最大手の日本工営は、ARとCIMモデルを活用したインフラの維持管理を行っている。CIMモデル上にMicrosoft HoloLensで取得した点検情報や画像を貼り付け、一目で以前の点検内容が分かる独自のシステムを構築した。 - 3次元道路データを活用した“AR技術”で視界不良時の除雪を可能に、ACTECが技術を公募
先端建設技術センターは、「ライティング技術」や「AR技術」を利用した除雪作業を効率化する技術公募を2019年1月31日まで行っている。ライティングは路面に車両の挙動情報や車間距離などを投影して安全を確保し、ARは道路の3次元データを使って、吹雪などの視界不良時でも除雪作業を可能にする。