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「mixpace」のiPad版をリリース、マーカー不要で属性情報も表示可能AR(2/2 ページ)

SB C&Sは2019年12月3日、CAD/BIMデータを容易にARデータへ変換できるクラウドサービス「mixpace」のiPad版をリリースした。建設業界でも普及しているiPadに対応したバージョンをラインアップすることで、mixpaceの認知拡大と利用機会の拡大を促進する。

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ARデータに属性情報を付加可能


ホロラボ 代表取締役社長の中村薫氏

 記者発表会では、iPad版開発の背景や特徴などについて、mixpaceをSB C&Sと共同開発するホロラボ 代表取締役社長の中村薫氏とMRコンテンツプロデューサー UXデザイナーの岩本義智氏が説明した。

 中村氏は、iPad版開発の背景について、「ARの社会における認知が拡大している中で、建設・製造分野でもARを使いやすい環境を整備したかった。また、顧客へのヒアリングでiPadを既に所有しているユーザーが多かったので、開発に踏み切った」と振り返った。

 iPad版の特徴は、両手持ちで操作がしやすいユーザーインタフェース(UI)を採用していることや平面検知、3Dモデルに影を投影するドロップシャドーを備えていること。重畳表示に有効な3Dモデル透過機能や3Dデータが搭載している属性情報をAR化したデータに反映する機能を有していることも利点だという。


mixpace iPad版のユーザーインタフェース

mixpace iPad版の画面、3Dモデルに影を投影


ホロラボ MRコンテンツプロデューサー UXデザイナーの岩本義智氏

 さらに、クラウドやローカル(デバイス内)ストレージ、表示している3Dモデルを画面上で確かめられる他、水平移動や垂直移動、回転、拡大縮小アイコンをタップすると操作モードになり、画面左下に表示されるコントローラーで3Dモデルを操作できる。

 「旧来のARだと必要だったマーカーが不要で、iPadのARキットでカメラの画像を解析し、特徴点を取得しながら、自己の移動距離や位置を把握している」(岩本氏)。

 HoloLens版とiPad版の違いについては、「HoloLens版は3Dモデルを両眼視差を利用した立体視で現実空間に3D表示する一方、iPad版はARカメラで撮影した実空間の映像上に3Dモデルを映し出す。HoloLensは40万円以上するが、iPadは5万円から買えるため、iPad版のほうが導入しやすい」と解説した。

 mixpaceの利用形態は、年間契約のサブスクリプション方式で、基本メニューの「mixpace Standard」が10ユーザーで年間116万4000円、オートデスクのBIMソフト「Revit」にも対応した「mixpace Standard+R」が10ユーザーで年間138万円。検証・短期ユーザー向けの「mixpace trial」が1ユーザーで2カ月9万2000円。

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