三井ガーデンホテル神宮外苑の杜プレミア開業、日本文化や歴史をデザインに反映:プロジェクト(2/2 ページ)
三井不動産は2020年度までに、ホテル事業の運営客室数を1万室に増やすことを目標に掲げている。オリンピック開催後、インバウンド需要がさらに活性化することを見込み、豊富な客室数を保有することで、需要を取り込み、持続的な事業拡大を図っていく考えだ。2019年11月22日には、三井ガーデンホテルのブランド“プレミアシリーズ”の新ホテルとして「三井ガーデンホテル神宮外苑の杜プレミア」をオープンする。
大浴場の壁面には明治神宮外苑水泳場の歴史をデザイン
ロビーフロアとなる1階には、首都圏を中心に多種多様な店舗を展開するRYコーポレーションが運営するモダンイタリアンレストラン「RISTORANTE & BAR E'VOLTA」が出店。日本の「粋」をコンセプトに、イタリアンなどを融合させた和洋折衷の料理メニューを提供する。
このホテルが明治神宮外苑水泳場の跡地に建設されたことを踏まえて、2階の大浴場には、水泳場に関連するアイテムを配置している。当時使われていた石やタイルなどをインスタレーション・アートで再現したことで、水泳場の面影を感じられる空間を創出したという。壁面やガラス面には水泳場の歴史を表したデザインを施している。
13階のルーフトップテラスは、新国立競技場や渋谷、六本木方面を見渡せ、神宮外苑花火大会も間近で見れるという。
2階には、ダイアローグ・ジャパン・ソサエティーが提供する体験イベント“ダイアログ・イン・ザ・ダーク”の常設会場が出店する。
ダイアログ・イン・ザ・ダークは、1998年にドイツのアンドレアス・ハイネッケ博士が考案。特別なトレーニングを積み重ねた視覚障害者が、対話(ダイアログ)のアテンドを行い、参加者を漆黒の暗闇の中に案内するイベントだという。
三井ガーデンホテル神宮外苑の杜プレミアでは、ダイアログ・イン・ザ・ダークを「内なる美、ととのう暗闇。」と呼称。禅の思想をベースとしたマインドフルネス(現在起きていることに注意を向ける心理的な動き)を用いて、自然や日本文化を感じられるさまざまなシーンを提供する。
2019年11月13日に開催された記者発表会で、三井不動産ホテルマネジメント 代表取締役社長の足立充氏は、「三井不動産ホテルマネジメントは1984年、大阪で第1号のホテルを開業以来、35年にわたり、東京エリアを中心に、全国主要都市に三井ガーデンホテルズとザ セレスティンホテルズを展開してきた。三井ガーデンホテル神宮外苑の杜プレミアの開業により、ホテルの総数が30件、総客室数が7837室になった」と語った。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 奈良県の国際芸術家村にロードサイド型ホテル「フェアフィールド・バイ・マリオネット」が進出
奈良県は、「(仮称)国際芸術家村」の宿泊事業者を積水ハウスを代表とする企業グループに決めた。積水ハウスらの事業提案では、ロードサイド型のホテルブランド「フェアフィールド・バイ・マリオット」を展開する計画だ。現段階でホテルの規模は5階建て、客室数101室を想定している。今後、県との正式契約を経て、基本設計に取り掛かる。 - インバウンドに伴う店舗とホテルの高い需要などを背景に、全国的に地価は上昇傾向
国土交通省は、地価動向の調査を目的とした2019年第2四半期の地価LOOKレポートを公表し、全国の大半で緩やかに、地価が上昇していることを浮き彫りになった。 - “天神ビッグバン”大名小跡地の再開発が着工、九州初「リッツ・カールトン」出店
福岡市が天神地区で推し進める“天神ビッグバン”の西のゲートを担う、旧大名小学校跡地の再開発が2019年7月8日に着工した。敷地内には、九州初となるリッツ・カールトンブランドの「ザ・リッツ・カールトン福岡」が入る24階建ての複合施設などを建設する。 - 2021年には供給過多も追い風で需要回帰へ、これからのホテル市場で勝つには何が必要か?
CBREは不動産マーケットの動向をプレゼンするフォーラムを開催し、この中でインバウンド需要を受けたホテル需給の動向と展望を示した。