奈良県の国際芸術家村にロードサイド型ホテル「フェアフィールド・バイ・マリオネット」が進出
奈良県は、「(仮称)国際芸術家村」の宿泊事業者を積水ハウスを代表とする企業グループに決めた。積水ハウスらの事業提案では、ロードサイド型のホテルブランド「フェアフィールド・バイ・マリオット」を展開する計画だ。現段階でホテルの規模は5階建て、客室数101室を想定している。今後、県との正式契約を経て、基本設計に取り掛かる。
奈良県は2019年3月18日、天理市杣之内町で整備を進めている「(仮称)国際芸術家村」について、宿泊事業者を選定する公募型プロポーザルの結果を公表し、優先交渉権者に積水ハウスを代表構成員とする企業グループを選定した。計画では、「(仮称)奈良県国際芸術家村」に隣接する宿泊施設が、ホテルブランド「フェアフィールド・バイ・マリオット(Fairfield by Marriott)」となる見通し。
ホテル運営には「マリオット・インターナショナル」が参画
企業グループの構成員は積水ハウス以外に、合同会社ニューツーリズム・トリップベース1号、トリップベースホテルマネジメント。ホテルの運営に携わるのは、世界各地でマリオットやリッツ・カールトンなどといったラグジュアリーホテルを運営する「マリオット・インターナショナル」だ。近年、日本にも攻勢をかけているホテルブランド「フェアフィールド・バイ・マリオット」の会員ネットワークを活用した集客を提案していた。
ホテルの建設地は、天理市杣之内町元山口方444-7他。敷地面積は5120m2(平方メートル)で、国道25号線に接道している。県が建設を進めている文化交流拠点「(仮称)奈良県国際芸術家村」の施設の一つとなる。宿泊客には敷地内に整備される道の駅やレストランなどの利用やイベント参加など、連携を図り、滞在型の観光地需要を掘り起こす考えだ。
芸術家村の敷地面積は約2.9ha(ヘクタール)。村内には、県文化財保存事務所の機能を移転する他、美術工芸の民間修復事業者を集め、文化財修理の現場を一般公開する。観光振興にもつなげるため、農産物直売所や農家レストラン、道の駅を設置する。2021年度の開村を目指し、開業後には年間55万人の来場を見込む。
芸術家村の設計は大建設計が行い、施工はWTO対象の一般競争入札において、50億6866万1000円(税別)で落札した大日本土木・森下組・八房建設JVが担当している。各施設の規模は、複合棟がSRC造3階建て/延べ床面積3476m2(平方メートル)、文化財修復・展示施設棟がSRC造2階建て/延べ床面積4996m2、農村交流/伝統工芸棟はS造2階建て/延べ2021m2、道の駅は木造平屋延べ299m2、回廊がS造平屋延べ320m2。工期は2020年5月29日まで。
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