2万円で始めるリノベ、壁に特化した「DIY」と「職人施工」の塗装サービス始動:リノベ(3/3 ページ)
インフラメンテナンスやマンション大修繕を手掛けるカシワバラ・コーポレーションの原点は「塗装」にあるという。不動産デベロッパーや設計事務所が持っていないこの強みを、近年盛り上がりを見せる住宅のリノベーション市場に持ち込んだ新サービスを立ち上げた。新規事業では、住宅の中でも面積を占める“壁”を塗り変えることに着目し、職人技の体感と塗装体験という2つのアプローチからシェア獲得をうかがう。
施工会社がリノベ市場に参入することの強み
リノベーションデザイン本部 本部長・前田俊介氏は、リノベーションを取り巻く状況について、「欧州では石造りの家が多いため、スクラップ&ビルドが少なく、内装を改修することが根付いている。i一方で日本は、古来より木造が基本で、建て替える方が環境や経済の面で有効とされてきた。しかしここ最近の調査では、国交省の空き家対策の施策なども追い風となり、新築と中古のマンションの需要が肩を並べるまでに広がりをみせている」と解説。
リノベは、デベロッパー系、賃貸不動産、設計事務所の3つの流れから、「現状で200〜300社が競合している。当社は施工会社のため、各現場で塗装職人と常に良好な関係を築いており、これを他社にはできない差別化として、クロス貼りとは異なるアプローチで、高額というイメージを払しょくする壁1面でもOKのリノベを広めていきたい」。
建設業界が直面している人手不足に対して前田氏は、「マンションの大規模修繕工事では、現場で住民を集めて塗装体験会を開いている。それがきっかけで、ある少年が塗工に関心を持ち、数年後に塗装工となった。WALL RENOVATIONで、職人の技術を目の当たりにするか、または自分で塗ってみることで、建築の世界を知る入口となれば、入職者を増やすことにもつながるのではないだろうか」と提言した。
発表会では4種類の塗装見本を展示。左から、シックハウス発症を防ぐ凹凸が特徴のプッツ仕上げ(NULL.:11万7000円〜)、シックネイビー3分ツヤ仕上げ(ie iro:1万8800円〜)、波のような模様で光の陰影が浮き出るフリーハンド仕上げ(NULL.:10万9000円〜)、ヴィンテージテイストの古材壁(ie iro:9万円〜)
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 難題山積みの建設業を救えるか?世界で注目される「Con-Tech(建設テック)」の日本版が始動!
マンションの大規模修繕工事を手掛けるカシワバラ・コーポレーションは、「建設×テクノロジー」で業界の課題解決を目指し、有望なITスタートアップ企業へ投資する「JAPAN Con-Tech(建設テック) FUND」を開始した。当初の投資枠は50億円で、建設業に技術革新をもたらす企業を募っていく。 - 凸版印刷が提案するIoT×建材の第2弾は、日常空間に溶け込む「壁材ディスプレイ」と「健康管理の床材」
凸版印刷は「第3回 高機能建材・住設EXPO」で、「トッパンIoT建材」や建装材の新製品などを披露した。IoT建材の第2弾では、壁材×ディスプレイと、床材×健康管理の新建材が初披露された。 - 両面テープだけで内装パネルの施工が実現、3Mが建築内装分野に本格参入
スリーエム ジャパンは、建築内装仕上げに特化した両面テープ「3M VHB テープ Y-4800-12建築パネル仕上げ用」を発売する。日本で初めて壁ボード用の接着剤と同等のJIS規格をクリアした両面テープで、施工時間の短縮や作業者の負担を軽減し、内装仕上げ市場が抱える人手不足や工期遅延といった課題解決を目指す。 - 海外の設計者集団Studio aiと提携、建築・内装・家具のスタートアップ「TOMOSU」
家具ブランド「TOMOSU FURNITURE(以下、TOMOSU)」を展開するDaiKiConnectは、海外のデザイナー集団Studio ai architectsと提携し、デザインマッチングやコーディネートなどの新規事業をスタートさせた。資材の調達や加工業務は、国内最大級の木材・建築資材流通チャンネルを持つヤマガタヤ産業100%子会社の「板蔵ファクトリー」と連携する。両社の協力により、DaiKiConnectは家具だけでなく、建築・内装のデザインから、設計、施工まで幅広い展開を行っていく。 - Web集客と協力業者の確保を可能とする内装業者向けITサービス
TRUSTは、「建築TECHカンファレンスVol.1」を開催。第1部では、内装業向け業務効率化システムや中古住宅の仲介とリノベーションとを組み合わせた新規事業、住宅管理アプリが紹介された。