SNS投稿への内容をAI分析し街の状態を可視化、竹中工務店:AI
竹中工務店は、AIが位置情報のあるSNSへの投稿内容を分析し、質的な評価を可視化するツール「ソーシャルヒートマップ」を開発した。
竹中工務店は、AIが、位置情報を持つSNS投稿内容を分析し、実際にその場所を訪れた人が思ったことや感じたことといった質的な評価を可視化するツール「ソーシャルヒートマップ」を開発した。
「マッピング」「グラフ化」「キーワード表示」で可視化
近年はIoT、ビッグデータ、AI技術が発達するなか、「人」に関するデータはまちづくりをする上で重要とされ、これまでは、まちなかの「人流データ」で人の位置や数、滞在時間を量的に評価していた。しかし、なぜその場所を選んだのか、その場所がどんな印象なのか、といった人の視点での評価(質的評価)は難しいとされていた。
一方で、SNSの投稿内容を解析した事例は多くあるものの、まちとは関係ない情報を多く含んだ解析が一般的で、まちに関する質的評価と位置情報のリンクしたデータが求められていた。
新開発のソーシャルヒートマップは、位置情報付きのSNS投稿内容を独自アルゴリズムで構成されたAIによって分析し、まちに関連するSNS投稿内容のみを抽出する。投稿内容から、投稿者の属性(性別や年代などを推定)、カテゴリー(食事やイベントなど投稿を10種類に分類)、印象(ポジティブ/ネガティブ)を解析して、その場所の質的評価として蓄積。データは「マッピング」「グラフ化」「キーワード表示」で可視化する。
位置情報とまちを結び付けた質的な評価を提供が可能で、例えば打ち合わせの場で、分かりやすくタイムリーに可視化した結果を提示することにも活用できる。
主な用途としては、まちづくりに活用されていた政府や自治体の公開データ、まちの人の流れを示す人流データや商品の購買データなどを補完し、テナント誘致、まちの活性化施策、社会課題解決に向けた利用が見込まれる。
今後、竹中工務店ではより精度の高いデータが提供できるように、自治体や民間企業との実証実験を進めていくという。また、オリジナルデータと「ソーシャルヒートマップ」を重ね合わせて、まちづくりへの新たな活用方法を模索することも表明している。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 竹中工務店が語るスマートビルとIoT
「住宅・ビル・施設Week2018」で竹中工務店の奥田正直氏が「スマートビルにおけるIoTを活用したソリューション」と題した講演を行い、同社のスマートビルに関する取り組みについて語った。 - 竹中工務店が2019年日本建築学会賞で2部門受賞
竹中工務店が、2019年日本建築学会賞の「日本建築学会賞(技術)」「日本建築学会作品選集新人賞」を受賞。 - 「建設キャリアアップシステム」の推進、竹中工務店が2019年中に全作業所で就業履歴登録
竹中工務店が、施工情報を協力会社と共有するために活用している施工情報共有システム「WIZDOM」が建設キャリアアップシステムとデータ連携する認定を取得した。これにより、全作業所で技能者の就業履歴がICカードで登録できる環境を2019年中に構築するという。 - 「読売テレビ新社屋」に竹中工務店が免制振ハイブリッド構造を適用、最上階の揺れを4割減
竹中工務店は、大地震発生時に最上階の加速度(揺れ)を従来の基礎免震構造よりも、40%抑える免制振ハイブリッド構造を2019年1月に竣工した読売テレビ新社屋に適用した。