「建設キャリアアップシステム」の推進、竹中工務店が2019年中に全作業所で就業履歴登録:建設キャリアアップシステム
竹中工務店が、施工情報を協力会社と共有するために活用している施工情報共有システム「WIZDOM」が建設キャリアアップシステムとデータ連携する認定を取得した。これにより、全作業所で技能者の就業履歴がICカードで登録できる環境を2019年中に構築するという。
竹中工務店は、協力会社と施工情報の共有に採用しているシステム「WIZDOM(ウィズダム)」が、「建設キャリアアップシステム(CCUS)」とのシステム連携の認定を取得したことを明らかにした。全作業所で技能者の就業履歴を登録できる環境整備を目指す。
作業所特性に合わせた就業記録システムも開発
建設キャリアアップシステムは、国土交通省が推進する技能者の処遇改善や技能の研鑽(けんさん)を掲げたシステム。現場での就業履歴や保有資格などのICカードを介し、業界統一のルールに基づき、データを蓄積していく。システムの構築・運用は建設業振興基金が担当しており、官民一体で2019年4月から運用を開始した。
一方のWIZDOMはアウトソーシングテクノロジーが開発・販売している施工情報共有システムで、建設業振興基金により、CCUSとの「就業履歴データ登録標準API連携(民間システムとの連携)」に認定された。
これまでWIZDOMは、作業所に関する情報や協力会社の建設業許可、協力会社が雇用する技能者の保有資格や作業所の就業履歴などの情報を蓄積して共有してきた。今回の認定を受け、CCUSとデータリンクすることで、CCUS用のICカードで、現場に設置された端末から作業者の情報を読み取れるようになる。WIZDOMを通して、CCUSに作業所情報やICカードの就業履歴が送られ、CCUSはAPI連携で技能者や協力会社の情報を共有。施工体制台帳や付随する関連書類の作成など、一連の業務効率化が見込める。
現場で技能者が保有するICカードや未所有者に配布される独自のQRカードを読み取る端末は、独自に開発した固定設置型とタブレット型の就業記録システム。タブレット型は、作業者に配布しているiPadでも使えるようにする予定だという。タブレットタイプであれば、改修工事などで固定設置型を常設できないケースでも就業履歴データの記録が可能になる。
将来的には、「建設業退職金共済制度」や「竹中マイスター制度」などにも活用することを見込み、協力会社側の利便性向上も図っていく。
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