応用地質がレーダー探査した「地下埋設物」を日立のAIで判定、占用者や施工者にクラウドから提供:2020年4月に提供開始(3/3 ページ)
日立は2025年度までに、社会インフラ保守関係事業で1000億円の売上目標を掲げており、その一環として、同社のAIと応用地質の地中探査技術を融合させて、「地下埋設物」を3Dマップ化し、クラウドを介して第三者に提供する新規事業を2020年から開始する。
AI活用で、熟練技術者に頼らず、大量データを高速に処理
応用地質 情報企画本部 ITソリューション企画部の松井恭氏は、AI導入の意図について、「陥没事故の原因となる道路下の空洞を専用車両で走りながら探査する“路面下空洞探査サービス”で、2018年から日立と連携してAIの自動解析に取り組んでいる。これまで、レーダーで取得した画像の解析は、熟練技術者の経験とノウハウによって、人手で判定していた。AIで代替することにより、今まで不可能だった大量のデータを高速に扱うことが実現する」とメリットを語った。
これまでに両社は、応用地質が2019年6月1日に、茨城県のつくばオフィス内で供用を開始した「3次元探査検定センター」をテストフィールドとして、探査性能の調整とAI用の教師データの取得を重ねてきた。センター内に整備された全長257メートルのコースには、3つのサイトを設け、サイト1(長さ52メートル)には鋼矢板、下水管、ガス管、発泡スチロールの空洞模型、不発弾模型を埋め、サイト2(長さ49メートル)は注排水が可能なVP管や空洞模型、サイト3(長さ60メートル)は下水で使われる斜めや交差などさまざまな角度のヒューム管(φ500ミリ、φ200ミリ)をそれぞれ埋設。その上を舗装して、探査車両を走らせ、AIの判定結果と埋設物の位置情報の検証をしてきた。
今後のビジョンについて、日立の竹島氏は「当社は2019年4月に、水道事業者を対象に2020年度から提供する水道管の漏水などを高精度で早期に検知できるシステムを発表した。これを契機に、社会インフラ保守のプラットフォームを構築し、新たな市場を創造することを目標に置いている。今回の地下埋設物の情報提供サービスもこの一つ」と話し、同社では
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