応用地質がレーダー探査した「地下埋設物」を日立のAIで判定、占用者や施工者にクラウドから提供:2020年4月に提供開始(2/3 ページ)
日立は2025年度までに、社会インフラ保守関係事業で1000億円の売上目標を掲げており、その一環として、同社のAIと応用地質の地中探査技術を融合させて、「地下埋設物」を3Dマップ化し、クラウドを介して第三者に提供する新規事業を2020年から開始する。
全ての地下情報が用意されているオンデマンド型と受注案件型
サービス形態について、日立製作所 未来投資本部 インフラ保守プロジェクトの竹島昌弘氏は、「ニーズに応じて、オンデマンド型と、受注案件型を用意している。オンデマンド型は、クラウドにアップされている詳細3DマップをWebベースで利用できる。料金プランは、定額や従量課金などを予定しており、施工業者のように工事する箇所のデータがピンポイントで欲しい要望に安価で応えられる。受注案件型は、図面台帳が無い場合や管理エリア全域の埋設物を網羅したい道路占用者向け。他社でも、受注してから調査するタイプのものはあるが、全ての情報が最初から用意されているオンデマンド型は他には無いサービス」と説明した。
事業化のスケジュールは、「2019年上期に事業性確認や事業スキームの検討を行い、下期から事業化の準備に着手して、オンデマンド型で提供するエリアを最初は大都市圏に絞って選定し、2020年4月以降に予定している事業開始後にはエリアを順次拡大していく。将来は、画像解析から詳細3Dマップ作成までの全工程をAIで完結できるようにしたい」(竹島氏)。
地下探査を行う応用地質の技術は、5台のレーダー探査機を積んだ専用車両を最大時速60キロで走らせながら、高精度GNSSと全周囲型光学式カメラを用いたSLAM方式で位置情報と、深さ約2メートルまでの地下画像を取得する。管の下にもう一つの管が通っている輻輳(ふくそう)管や路面温度が上昇する夏場の悪条件にも対応できるように、レーダーの送受信は“マルチチャンネルマルチパス”を採用する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.