IoT活用技術でインフラ構造物の維持管理業務を効率化/高度化、OKI:維持管理
沖電気工業(OKI)は、センシング技術やAIなどのIoT活用技術によりインフラ構造物の維持管理業務の可視化、作業効率化などをトータルにコーディネイトするインフラモニタリングソリューションを提唱する。
沖電気工業(OKI)は2019年7月17日、インフラ構造物・設備の維持管理に向けた新たなインフラモニタリングソリューション(以下、IMS)の商品提供・技術開発を強化すると発表した。IMSには同社が長年培ってきたセンシング技術やAIなどのIoTが活用されており、年々増加するインフラ構造物・設備のメンテナンス業務の効率化・高度化が可能となる。
IMSは、以下の4つのソリューションを運用現場に合わせて連携しながら導入する。
インフラの見える化
画像処理や音響処理技術、ロボット技術などを活用してインフラ構造物・設備の変状データを取得する。これまで紙に記録してきた帳票もデータ化することで、データ収集からレポートまでの一連の作業を可視化・効率化する。
インフラの状態診断
インフラ構造物・設備の劣化状態はこれまで職人の感覚と経験で診断してきたが、映像解析・振動解析・音響解析などのデータ処理技術により診断基準を数値化。機械学習による診断支援も導入する。
インフラの劣化予測
インフラの見える化と状態診断の結果からAIを活用して把握した変状傾向に基づき、今後の劣化進行を予測する。
インフラ工事の工程・安全監視
現場監督が目視で把握していた工事現場の作業状況を画像処理・光通信・AIなどの技術で見える化。安全管理の判断を可視化・効率化・高度化する。
道路や鉄道、空港、港湾、水道・電力・ガスといった社会基盤を支えるインフラ構造物・設備は、その多くが老朽化しているため、定期的なモニタリングが欠かせない。しかし今後新たに建設される構造物・設備も含めると、維持管理の対象物は膨大であり、維持管理業務の効率化が急務となる。また今後は、政府が提唱する「インフラメンテナンス2.0」が象徴するように、大量のデータ収集・分析を前提とするメンテナンスの効率化・高度化が必須となる。
これらの業界ニーズに対してOKIは、「インフラ点検レポートサービス」「無線加速度センサーシステム」「光ファイバセンサー」といった商品提供・技術開発で応えてきたが、今回提唱したIMSもその取り組みの一環だ。2019年7月24〜26日に東京ビッグサイトで開催された「メンテナンス・レジリエンスTOKYO2019」では同社も出展、各種ソリューションを紹介した。
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