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世界初の試験装置でダウンバーストや竜巻の気流を再現、大林組が「環境工学実験棟」を更新導入事例(2/2 ページ)

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厚さの異なる6枚のカセットに対応

 音響実験施設は、無響室と残響室で構成。残響室は、2つの実験室から成り、その間に設けられた開口部に、建築部材などの試験体を設置することで、遮音性能を測定する。部屋の形状も近年、主流となっている国際基準ISO(ISO 140)に準拠した直方体の形状に変更。実際の部屋に近い形状となったことで、現実的な評価結果が得られること、また単純な形状であることから、実験結果を理論的に解析することが容易となるという。


残響室自動搬送クレーンの概要 出典:大林組

 更新に伴い試験体カセットと自動搬送クレーン(最大積載荷重9トン)も導入した。あらかじめ別の場所でカセットに試験体を設置し、クレーンで開口部に挿入することで実験が行える。カセットの厚さは、試験体のサイズに合わせて3種類、計6枚で、厚さの異なる6枚のカセットに応じる装置は日本初としている。試験体の入れ替えに、その都度の施工が不要となるため、複数の試験体の比較検討を短時間で効率よく実施可能になった。

 今後は、より高性能な遮音構造の開発を行い、残響室の躯体を活用して床衝撃音や振動が建物の躯体を伝搬させ、室内に騒音として現れる固体伝搬音もテストし、躯体の振動およびそれに伴う音圧などに関した数値シミュレーションに基づく予測手法の確立を目指す。


2つの残響室と試験体カセット(左)、サイズの異なる6枚の試験体カセット(右) 出典:大林組

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