屋外向けミスト式冷却機や多言語対応のストリートサイネージなど、将来の課題を解決するソリューションを開発:2020年とその先のレガシーに向けた取り組み(3/3 ページ)
パナソニックは、2020年以降の社会課題の解決を目指し、街や施設の価値を高める製品とサービスを開発し、普及を進めている。
強みはオリンピックのセレモニー演出で培ったノウハウ
さらに推進する統合型リゾート(IR)事業やスポーツを中心にした施設空間の価値向上の施策も解説した。
IR事業の展開では、大阪の夢洲(ゆめしま)で建設が企画されている統合型リゾートについて紹介。2019年2月28日に公表された「大阪IR基本構想(案)」によれば、大阪港のベイエリアに位置する面積約390ヘクタールの埋め立て地である夢洲に、カジノ、国際会議場、展示場、観光、宿泊といった施設を含むIRの構築を大阪府が計画している。パナソニックは、さまざまな製品に加え、Hospitality、Entertainment、Mobility、Sustainability、Securityの5つのテーマでカテゴリー分けされたサービス「5 Smart IR Solutions」の導入を目指しアプローチしていくという。5 Smart IR Solutionsは、スマートペイメントや照明演出、ARナビゲーション、環境計画支援VR、ウェアラブル映像監視といった多様なシステムを備えている。
井戸氏は、「2018年にIR実施法案が成立し、2020年から2025年までに国内3か所でIRが新設される見通しだ。現在、大阪府、和歌山県、長崎県などがIR設立の候補地として名乗りを上げており、国が選定を行っている。当社は、2025年に大阪万博の開催が決定した大阪府の夢洲が選ばれる可能性が一番高いと考えている。夢洲のIRプロジェクトの事業規模は民間投資で1兆円で、従業員は1万6千人以上が雇用されると聞いている」と話す。
スポーツを軸とした施設空間の価値向上を図る展開については、スポーツ事業に対し集客やチケットの拡売、収益の多角化、運営の省力化、多彩な演出による観戦体験の充実を実現する製品とサービスの導入を進めており、顧客満足度を高めるとともに、開催地の活性化と来場者の拡大を目標としている。
「パナソニックの強みは、30年以上に渡るオリンピックへのスポンサーシップとセレモニーの演出で培ったノウハウを抱えていること。スタジアムの入退場管理で、POSシステム、チケットシステムを提供できることやデジタルマーケットの知見を持っていることも優位性になるだろう。加えて、スマートタウンという街づくりで得た知識を活用可能なことも強みだ。幅広いソリューションを持っているという長所を生かしながら、ハードとソフトでスタジアムを陳腐化させずに、ソリューションをアップデートしていく」(井戸氏)。
この他、東京・晴海五丁目西地区で、東京オリンピック・パラリンピック大会の選手村跡地を活用する再開発計画「HARUMI FLAG(ハルミ・フラッグ)」や東京都中央区のマンション販売センター「HARUMI FLAG パビリオン」で展開する製品とサービスについても説明した。
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