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無電柱化による地上機器をラッピング、全国で250基以上の導入実績メンテナンス・レジリエンスTOKYO 2018

スリーエム ジャパンは、電力会社のトランスなどの地上機器を装飾する「3M地上用機器ラッピングシステム」に再剥離機能を新たに追加した。同システムは既に全国で250基以上の導入実績がある。2018年7月18〜21日に東京ビッグサイトで開催された「メンテナンス・レジリエンスTOKYO 2018 無電柱化推進展2018」で、ラッピングデモを行った。

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 スリーエム ジャパンが販売展開する「3M地上用機器ラッピングシステム」は、電力会社の変圧器などの地上機器を装飾するために開発した特殊フィルムと施工技術。国が推進する無電柱化の取り組みで、街には地上機器が増えつつあり、これに伴って各自治体の地域活性化策の一環として、名所や歴史などの案内、情報発信に同社のラッピングシステムが活用され、全国で既に250基以上の導入実績がある。

再剥離機能で容易に原状復帰が可能


会場での施工実演

 ラッピング用の特殊フィルムには、高い柔軟性があり、地上機器表面の凹凸面に追従する。直接、地上機器に貼ることができるため、塗装の様に歩道占用などの大掛かりな現場作業は不要で、施工時間も短時間で済む。

 新たに加わった再剥離機能により、フィルムを剥がした後に、のり残りすることも無く、下地を傷めず、意匠を簡単に貼り換えることや原状復帰することが可能になった。

 グラフィックは、大判インクジェットプリンタで出力するため、精細でさまざまなデザインが表現できる。地上機器をキャンバスに見立て、景観向上の目的や観光客向けに、地域の名所や名産品、歴史といったデザインの他、ポイ捨てや路上喫煙の禁止といった情報発信の媒体として、全国各地で導入が進んでいる。既存の設備を利用するため、新たな設備投資の必要が無く、ローコストで情報発信スペースを設置できるのがメリットだ。


全国250基以上での導入実績の一部

 また、地上機器のラッピングには、落書き・貼り紙への抑止効果もあるとされる。実際に、ラッピングありなしの地上機器を比較したところ、通常の機器では3カ月で落書き被害に遭ったのに対し、ラッピング施工した機器は1年経過してもイタズラはなかったという。

 地上機器の新たな可能性としては、広告媒体としての活用がある。現状では、各自治体の屋外広告物条例に触れるため、民間企業の広告をそのまま掲出するのは難しいが、広告収入をエリアマネジメントや街づくり活動などの公共に還元することで、規制緩和や特例措置が認められれば、今までにない屋外広告の媒体として、ラッピングシステムの広がりに期待ができる。


歌舞伎町アートプロジェクト「富士山」の導入事例

 会場では、既存の塩ビフィルムの上に貼って剥がせる「3M スコッチカル グラフィックフィルム ER500」も出品。東京五輪の開催中に想定される大会スポンサー以外の広告の目隠し用やグラフィックの差し替え、企業の商号変更時の一時的な仮表示などの多様なニーズでの採用が見込まれる。

 ER500は、粘着面に微細なガラスビーズがコーティングされている「コントロールタック」の機能と、エア抜き溝を設けているため、位置合わせが簡単で、貼った後の気泡残りもスキージーで表面をなぞるだけでエアが抜ける。従来品はシルクスクリーン印刷のみだったが、ER500では溶剤、UV、Latexのインクジェット方式に対応する。サイズは1238mm(ミリ)×50m(メートル)。

 他に、同様のコントロールタックとエア抜け機能を有するインクジェット印刷用塩ビフィルム「3M コントロールタック コンプライ フィルム 180シリーズ」の白色、透明、メタリックと、反射材で初の機能を持たせた「3M スコッチライト 反射グラフィックフィルム」も紹介した。

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