ウェアラブルIoTを現場7カ所に導入、長谷工
長谷工コーポレーションは、ウェアラブルIoT「スマートフィット for work」を2018年7月から全国7カ所の建設現場に試験的に導入して、効果測定を行う。
長谷工コーポレーションは2018年7月、夏場に新築マンションの建設作業所で働く作業員の体調管理の目的で、倉敷紡績が開発したウェアラブルIoT「スマートフィット for work」を全国7カ所の作業所に導入する。
鉄筋工、型枠工など現場4カ所、100人に着用して検証
スマートフィット for workは、繊維メーカーの倉敷紡績(クラボウ)が開発したシャツ型スマート衣料「スマートフィット」を使用して、生体情報(心拍数、体温、加速度)と作業現場地域の気象情報を組み合わせ、作業者の暑熱環境下での作業リスクや体調変化、転倒・転落情報などをリアルタイムで管理者や作業車に通知するIoT技術。
長谷工コーポレーションは、これまでにも夏場の作業現場で、熱中症などの対策として、電動ファン内蔵の上着や大型噴霧器の導入、作業員に細目な水分補給を促すなどの対策を行ってきた。これらに加わる新たな手段として、スマートフィット for workを東京地区4作業所、関西地区2作業所、東海地区1作業所で導入。炎天下で躯体工事作業に従事する鉄筋工と型枠工を中心とした約100人に着用させ、建設現場での活用について検証を行う。
検証期間は2018年7月〜11月の5カ月間。その後、結果によって次年度以降の本格導入を検討する。試験期間中に得た各種データはクラボウと共有し、システムの精度向上を行っていく。
スマートフィット for workの仕組みは、ウェアに装着された端末で、着用者の生体データを取得。IoTクラウドに取得データをアップし、現場の気象情報や緊急搬送情報と組み合わせ、独自アルゴリズムで解析する。解析後の評価結果は、作業者のスマートフォンと管理者のPCまたはタブレットに通知され、リスク発生時には作業員にアラートで知らせる。
管理者側の端末には、作業者全員の状況と現場全体の傾向を一括で管理できるように表示。転倒・転落>暑熱リスク>機器異常>体調管理のリスクが高い順で、異常があった作業者の現場グループ名、作業者名などが通知される。現場全体の管理では、リスク者数と現在の状況、1日の推移を閲覧することができる。
また、自動学習(AI)機能を搭載しているため、過去データを踏まえて、作業者それぞれに最適化された暑熱作業リスクと体調の管理を行うことも可能だという。
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