1周波RTK-GNSS内蔵の施工管理タブレット、杭打ちや転圧の施工品質を向上:建設・測量生産性向上展2019(2/2 ページ)
土木の測量機器システムを開発しているアカサカテックは、タブレット端末とクラウドサービス、アンテナで構成した杭打ち工事や転圧作業の施工品質を向上させる施工管理システムを販売している。専用タブレットは、1周波RTK-GNSSを内蔵し、これまでのIoT機器の機能を一つに集約。施工現場のコストを低減させる高性能な現場管理デバイスだ。
転圧回数がカラーで可視化、施工品質の保証に
一方の転圧管理Smart Rrollerは、取り付けるGNSSアンテナは1台だけで済む。これまでの計測で必要だったGNSS受信機、収納ボックス、通信機などの機材をHDT280に集約したことで、シンプルな機器構成となっている。
デバイス上では、転圧作業時に、転圧回数がメッシュごとに色分け表示されるため、施工しながら現在の転圧回数を常時確認することができる。そのため、オペレーターの経験による品質差が解消され、施工の品質保証につながる。施工結果のデータは、Smart Roller Webに送信され、事務所側でも帳票を確認して、さらに3D出来形データの作成にも活用できる。
Smart Rrollerは、Web API経由で提供されるので、各社が独自に運用しているアプリと連携させることが可能だ。工事現場や端末の登録/閲覧、施工結果やダウンロードデータの帳票出力やダウンロード機能を自社のアプリに組み込んで使用できる。
他にオプションで、ローカル基地局を設けて、複数の工区や建機を管理するネットワーク構築にも対応し、基地局やサーバから各建機のHDT280へGNSSの“補正情報”を配信し、高精度な1周波RTK測位が実現する。
ブースでは他に、ローコストのGNSS受信機「RTF300」も展示。LTE通信モジュールを備えている他、Microsoft AzureのIoTプラットフォームを採用しているため、高いセキュリティに守られている。
別売りの三脚「バイポッド・カーボンポール」と組み合わせれば、高額なレーザースキャナーを導入しなくても、ICT土工の測量や建機の施工ガイダンス、道路工事での埋設物への誘導などが安価にできるようになる。オプションでは、単点計測や逆打計測、測線誘導などのモードを搭載した専用スマートフォンアプリや測量に特化したクラウドサービスも用意されている。
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