AI活用の「BEMSデータ解析ソフト」で分析作業を50%省力化:BEMS
新日本空調は、ビル設備の稼働データを比較評価するため、データ測定ポイントの名称をAIで自動的にマッチングさせる「BEMSデータ解析ソフト」を開発した。このソフトにより、データ分析業務が50%効率化できるという。
新日本空調(SNK)は、ビル設備の省エネ化を図る管理システム「BEMS(Building and Energy Management System)」によって、日々蓄積されていく稼働データを比較評価するため、監視ポイント名称のマッチングをAI(人工知能)で行う「BEMSデータ解析ソフト」を開発した。このソフトにより、データが一元化され、データ分析作業が50%省力化できるという。さらに、ビルオーナーに向けた、設備システムの省エネルギーや予防保全、トラブル対応などの提案につなげたい考えだ。
BEMSデータ分析を効率化し、さらなる省エネ対策を提案
近年の省エネ意識の高まりを受け、BEMSを導入した建物所有者の元には、ビルの機器・設備の稼働状況を示すBEMSデータが日々蓄積されている。データ自体は膨大な量で、ファイル数も相当数となるため、データを分析するには人の手による長時間の作業が必要となり、実際にはデータを有効に活用しているケースは少ない。
そこで新日本空調は、データ解析の時間を短縮し、建物管理者により効率的なビル管理の提案を可能にする「BEMSデータ解析ソフト」を開発した。
BEMSデータ解析ソフトは、顧客から受け取ったさまざまな書式のBEMSデータを自動でデータベース化する。CSVやExcelファイルなど、BEMSメーカーごとで異なっているデータ形式に対応している。
抽出・集計したデータは、深層学習(Deep Learning)を応用したAIで、建物ごとにバラバラとなっている監視ポイントの名称をマッチングして、データを比較・評価できる形態に標準化させる。その上で、評価グラフとしてビジュアル化し、比較検討や運転状態の分析、顧客に対しては、より省エネにつながる運用やトラブルの把握など、予防保全の手法を報告または提案する。
監視名称のマッチング機能は、ディープラーニングを利用しているため、システムを使うほどに、AIが学習を繰り返し、マッチング性能が自動的に向上していく。
作成した評価グラフは、ネットワーク上で情報共有される。閲覧は、Webブラウザベースのため、関係者はいつでも、どこからでもデータにアクセスすることができる。
新日本空調では、BEMSデータ解析ソフトは、手作業で行ってきた評価グラフの作成とその分析が自動化されることで、設備運用データの解析業務で50%以上の省力化が実現するとしている。また、類似設備の運転状況との比較もできるようになり、ビルオーナーなどのクライアントへ、提案機会の拡大と情報共有化による提案力の強化が見込めるとも期待を寄せる。
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