山岳トンネル工事の切羽評価システムを改良、鹿島 建機搭載カメラ/センサーで観察者不要に:山岳トンネル工事
鹿島建設は、山岳トンネル工事で切羽の性状を定量的に分析/評価する「切羽評価システム」を改良した。建設機械に搭載したカメラやセンサーで評価に必要なデータを取得することで、切羽観察者による撮影や計測を不要にした。
鹿島建設は2026年10月16日、山岳トンネル工事で切羽の性状を定量的に分析/評価する「切羽評価システム」を改良したと発表した。建設機械に搭載したカメラやセンサーで評価に必要なデータを取得することで、切羽観察者による撮影や計測を不要にした。
鹿島建設は2026年3月、切羽断面の写真や建設機械に搭載した機器の計測データを分析し、切羽性状を定量的に評価するシステムを開発した。従来のシステムでは切羽観察者が事務所から切羽付近まで移動し、掘削作業の合間に画像データを取得する必要があった。移動や待機、撮影に要する時間の削減と建設機械との接触リスクの低減が課題となっていた。
今回の改良では、従来スマートフォンなどのカメラや設置作業が必要な赤外線カメラで取得していた風化変質/割れ目性状/湧水量の評価用データについて、撮影機材一式を吹付け機に搭載し、専用タブレットの簡単な操作だけで取得できるようにした。切羽性状の評価に必要なデータが、掘削用ブレーカ、ドリルジャンボ、吹付け機に取り付けたカメラや計測機器から、全て取得できるようになった。切羽付近への移動や撮影待機、撮影と計測に要する時間を削減した。従来の一般的な切羽評価方法と比べて生産性を高めるとともに、建設機械との接触リスクを低減した。
システムの改良に伴い、切羽性状の分析と評価結果を鹿島建設が開発したデータプラットフォーム「スマート計測ウォッチャー」に自動連携する機能も追加した。同プラットフォームは、山岳トンネル工事における各種調査、施工、計測データを自動で集約して可視化する。自動連携により、工事関係者だけでなく発注者にも評価結果を迅速に共有できるようになった。
改良したシステムは、国土交通省近畿地方整備局が発注した「国道169号上池原トンネル他工事」に初めて導入した。同工事は奈良県吉野郡下北山村で鹿島建設が施工しており、工事延長は2870メートル、トンネル掘削延長は2772メートル、設計上の内空断面積は53〜83平方メートルとなる。現場では吹付け機に切羽撮影用カメラ、赤外線カメラ、赤外線カメラ用投光器を搭載し、タブレットPCを用いてデータを取得した。実証の結果、切羽観察業務の効率化を確認した。
鹿島建設は今後、改良した切羽評価システムを複数の山岳トンネル工事に適用し、機能の改良を図る。さらに、た山岳トンネル向け自動化施工システム「A4CSEL for Tunnel」との連携を図り、施工現場の安全性と生産性のさらなる向上を目指す。
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