東京建物のビル管理拠点に「管理ロイド」と「ナレッジAI」導入、設備管理の属人化を脱却:次世代のスマートビル
東京建物グループが開設したビルメンテナンスセンター「BASE YNK」に、THIRDが提供するAI建物管理クラウドシステム「管理ロイド」と「ナレッジAI」が採用された。複数のビルを遠隔管理する群管理のデジタル基盤となり、AI活用で業務効率化とノウハウの継承を推進する。
不動産や建築業界向けのAI開発を手掛けるTHIRD(サード)は2026年9月28日、自社が開発するAI建物管理クラウドシステム「管理ロイド」と設備管理業務に特化したAIエージェント「ナレッジAI」が、東京建物グループの新たなビルメンテナンスセンター「BASE YNK(ベース インク)」に採用されたと発表した。
属人化しがちな設備管理ノウハウをAIで活用
東京建物とグループ会社の東京不動産管理は2026年9月16日、東京都中央区で「BASE YNK」を開設した。八重洲、日本橋、京橋エリアで保有/管理する4物件を対象とし、複数の物件を遠隔管理する「群管理モデル」の効果や運用上の課題を検証する拠点として機能する。
近年のオフィスビル管理で求められる安定した運営や品質管理に応えるとともに、少人数での運営に起因する知識や対応ノウハウの属人化という構造的な課題の解決を目指す。
その運用を支えるデジタル基盤として、今回THIRDのシステムを導入。管理ロイドは、点検や検針、清掃報告などの日常業務をクラウド上で一元管理する。AIによる検針値の確認や報告書のチェック機能を活用し、入力ミスや確認漏れを防ぎながら、個人の経験に依存しない業務運用を可能にする。
ナレッジAIは、チャット形式のユーザーインタフェースから自然言語で質問するだけで、設備情報に加えて東京不動産管理が培ってきた過去の対応履歴やトラブル事例などの社内ナレッジを横断的に検索できる。経験の浅い担当者でも設備異常時の対応方法や類似事例を参照しながら的確に対応できる環境を提供し、ベテラン層への問い合わせ集中を防いで現場の負荷軽減と人材育成を支援する。ナレッジAIは、導入企業に合わせて個別開発を行うため名称が異なり、THIRD社内での正式名称は「所長AI」となる。
THIRDは、東京建物のBASE YNKでの実証運用を通じて、今後も自社のAIシステムによる不動産管理業務のデジタル化とノウハウ継承の支援に取り組む。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
不動産管理DXを支援するマンション管理特化型BPOサービス、ベルシステム24が提供開始
ベルシステム24は、池袋と札幌にマンション管理業務に特化したBPOセンターを新設した。従来の日常業務のサポートに加え、AIを活用した業務効率化などを支援する。
AIとGraphDBで設備管理を効率化 日立ソリューションズの設備保全DX
日立ソリューションズは、プラントなどの設備保全業務向けに、定期修繕の進捗管理や工事情報の可視化、GraphDBと生成AIを用いたナレッジ活用アプリ、上空と地上の画像を管理するプラットフォームど、現場業務の効率化と技能継承を実現する最新の保全DXソリューションを提案している。
AIとビルOSでビル管理業務最適化、「渋谷ソラスタ」で2026年から実証
東急不動産、東急コミュニティー、ソフトバンク、SynapSparkの4社は、2026年から東急不動産本社のある東京都渋谷区の「渋谷ソラスタ」で、AIとビルOSを活用したビル管理業務の最適化に向けた実証を開始する。
生成AIを活用、建物DX支援アプリを共同開発 DATAFLUCTと竹中工務店
DATAFLUCTと竹中工務店は、建物データを日本語で直感的に把握、分析できる生成AIチャット機能を搭載した建物DX支援アプリを共同開発した。
大阪南港に東京建物初のデータセンター「Zeus OSA1」着工、施工にMEPプレファブ採用
東京建物とSC Zeus Data Centersは、大阪の南港エリアでハイパースケールデータセンターの建築工事に着手した。7階建て延べ1万9016平方メートルの規模となる見通しで、第1期の稼働は2028年の予定。
ロボットが昼夜問わず公道を巡回警備、赤坂インターシティAIRで導入
赤坂インターシティマネジメントは、自社が管理運営する東京都港区の「赤坂インターシティAIR」で、遠隔操作型小型車による夜間を含めた公道巡回警備を開始した。
「日本橋一丁目三井ビルディング」の設備管理に生成AI活用、キヤノンMJやMODEが実証開始
キヤノンマーケティングジャパン、三井不動産、MODE、Imageousの4社は、東京都中央区の大規模複合ビル「日本橋一丁目三井ビルディング」で、各種設備データをクラウド上で統合し、生成AIを活用することで、遠隔監視や異常検知の有効性を検証する実証実験を開始した。

