検索
ニュース

最大のAIリスクは「従業員のスキルアップ不足」、日本企業の38% Octave調査:AI

Octave Intelligenceは産業分野のAI活用と人材育成に関する調査を公表した。日本では回答者の38%が、今後5年間で自社が直面するAI関連の最大のリスクとして、AIを使用するための従業員のスキルアップが不十分なことを挙げた。

Share
Tweet
LINE
Hatena

 Octave Intelligenceは2026年9月28日、産業分野のAI活用と人材育成に関する調査の結果を発表した。日本では回答者の38%が、今後5年間で自社が直面するAI関連の最大のリスクとして、AIを使用するための従業員のスキルアップが不十分なことを挙げた。

アジア企業の半数超、2028年までに現場従業員がAIを監督すると予測

 Octave Intelligenceが発表した産業AI調査レポート「人とAIの専門性の融合:次世代人材の育成」は、産業分野におけるAI導入、人材育成、業務知識管理、産業レジリエンスについて検証するグローバル調査の一環。世界で売上高10億ドル以上の企業に所属する産業技術分野の意思決定者750人超を対象に実施した。

 調査によると、アジア企業の半数以上は2028年までに、現場の従業員が組織の広い範囲で利用されるAIシステムを監督する役割を担うようになると予測している。一方、従業員がAIと効果的に連携して業務を遂行するために必要なスキルや知識、自信を十分に備えているかについて、企業の懸念も高まっていることが明らかになった。

 将来の産業人材に必要なスキルでは、38%が「システム思考とオペレーション管理」、34%が「技術部門と非技術部門をつなぐコミュニケーション能力」、32%が「サイバーセキュリティとデータガバナンス」、25%が「人と機械の連携」を挙げた。韓国では回答者の59%が「システム思考」を将来の産業人材にとって最も重要なスキルに挙げた。

日本では38%が「従業員のスキルアップ不足」を最大のAIリスクに

 今後5年間で自社が直面するAI関連の最大のリスクとして、日本では回答者の38%が「従業員のスキルアップが不十分であること」を挙げた。AI導入に際して一般に想定される多くの技術的課題よりも大きな懸念事項となっていることが分かった。調査では、アジア企業がAIシステムの導入だけでなく、従業員がAIと効果的に連携して業務を遂行できるようにすることにも注力しているとしている。

 熟練者の退職に伴う業務知識やノウハウの喪失も課題となっている。アジア全体では回答者の48%が、熟練者の知識やノウハウを蓄積し、次世代の従業員に継承するため、AIを活用した知識管理ツールを既に導入している。韓国では既に54%が利用していた。

 また、日本では回答者の25%が、主要なベテラン社員が退職した際に重要な知識やノウハウが失われるリスクを懸念していると回答した。業務上の知識が十分に継承、共有されていないことへの危機感が示された。

 Octave IntelligenceのAPAC担当シニアバイスプレジデント、ファビオ・ヤダ氏は、これまで企業は資産やオペレーションからのデータ収集に注力してきたが、現在は従業員が持つ専門知識やノウハウの蓄積と継承にも関心が広がっていると説明している。

AIによる雇用喪失より信頼や安全性を懸念

 調査では、AIを巡る従業員の懸念について、AIによる雇用の喪失よりもAIへの信頼や安全性、信頼性に対する懸念が大きいことも分かった。アジア全体では回答者の25%が「AIの判断ミスが安全に関わる事故につながるリスク」を従業員にとって最大の懸念事項に挙げた。AIによる意思決定の透明性や、その意思決定への信頼も重要な課題として上位に挙がった。

 一方で、オーストラリアでは回答者の28%が、専門家としての立場や評価が失われる可能性や、現場で培われてきた専門知識やノウハウの喪失を懸念していると回答した。

 Octaveは、人、資産、プロセス、知識を資産ライフサイクル全体でつなぐ「ライフサイクルインテリジェンス」戦略を展開している。Octaveは、現場で必要とされる信頼性の高いインテリジェンスを提供し、企業に蓄積された専門知識やノウハウを次世代へ継承することで、AI活用を見据えた基盤の構築と人材の対応力、レジリエンスを高められるとしている。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ページトップに戻る