少数のセンサーで建物全階の揺れを予測、地震後の安全性診断を低コスト化 淺沼組:製品動向
淺沼組は、少数の加速度センサーの測定値から建物全階の揺れを高精度に予測する「全階応答予測手法」を開発し、地震モニタリングシステムに実装した。安全性の判断に必要な予測精度を維持しながら導入/運用コストが抑えられる。
淺沼組は2026年8月27日、少数の加速度センサーの測定値から建物全階の揺れを高精度に予測する「全階応答予測手法」を開発したと発表した。展開中の地震モニタリングシステムに実装することで、安全性の判断に必要な予測精度を維持しながら導入/運用コストを抑えられる。
少数のセンサーから中間階の応答を予測
全階応答予測手法は、少数の加速度センサーによる測定値により、設計図面に基づく建物の振動特性から、センサーを設置していない中間階の揺れを解析的に予測する技術。
S造やRC造などの構造種別や建物規模による制限はなく、多様な建物に適用できる。新築や淺沼組の施工物件だけでなく、既存建物のリニューアルや他社設計物件にも導入可能。より高精度な診断に向け、専門家による実測振動調査を組み合わせたプランも提供する。
淺沼組が展開する地震モニタリングシステムは、建物に設置した加速度センサーで地震時の揺れを即時に分析し、建物の安全性などの診断結果を通知する。震度2以上の地震を検知すると速報通知を自動送信。診断結果はクラウドで管理し、PCやスマートフォンから確認できる。
5階建てで導入コスト約35%、運用コスト約60%削減
従来、地震モニタリングシステムの診断精度を高めるため全階に加速度センサーを設置すると、導入/運用費用が増えることが普及上の課題だった。全階応答予測手法を用いることで、5階建て建物の全階にセンサーを設置する場合と比べ、導入コストを約35%、運用コストを約60%削減できるという。
予測精度は、実建物で取得した地震データの分析と、建物模型を使った振動台実験で検証。中間階の揺れを正確に予測できると確認した。
地震後の迅速な安全確認に活用
大地震後に建物の継続利用や避難の必要性を判断する応急危険度判定は、技術者の目視によるため判定に時間を要し、結果にばらつきが生じることが課題だった。淺沼組は、センサーで建物の状況を即時に分析/診断する地震モニタリングシステムの普及を進め、大地震発生時の迅速な安全確認につなげる。被災地の早期復旧と都市機能の維持への貢献も目指す。
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