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24時間の連続飛行や70kg輸送、スウォーム飛行 国産ドローンメーカーが提供する3機種メンテナンス・レジリエンス2026(2/2 ページ)

千葉大学発の自律制御技術を受け継ぐ、産業用ドローンメーカーのAutonomyHDは、自律制御技術を活用し、用途別に3種類の主力機をラインアップしている。バッテリー飛行と有線給電を切り替えられるハイブリッド機、最大70キロを運搬する「X70」、鳥の群れのように協調飛行する“スウォーム飛行”を目指す開発中の小型モデルの3機種だ。

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「Surveyor-X70」は、山間部や被災地での資材運搬を想定

 最大ペイロード70キロを機体名称に冠した「Surveyor-X70」は、対向するモーターの軸間距離が2.1メートルに及ぶ、大型のヘキサコプター型ドローンだ。機体寸法は2850×2090×600ミリ、機体重量は65キロ。

最大70キロのペイロードに対応する大型ヘキサコプター「Surveyor-X70」
最大70キロのペイロードに対応する大型ヘキサコプター「Surveyor-X70」
「Surveyor-X70」の主な仕様を示した説明パネル
「Surveyor-X70」の主な仕様を示した説明パネル

 あらかじめ設定した飛行ルートに沿って自律飛行し、最短ルートでの往復運搬が可能だ。道路が整備されていない山間部や災害によって陸路が寸断された地域など、人や車両が容易に入れない場所への重量物輸送を主な用途に想定する。ダムをはじめとする土木工事や建設現場への資材運搬に加え、大型センサーを搭載したインフラ点検への活用も見込む。

 現在は、製品化に向けた実証を進めている段階にある。2025年5月に神奈川県松田町での災害対応実証では、Surveyor-X70の前身に当たる大型物資運搬ドローン「Surveyor-X」を投入。災害によって道路が使えなくなった状況を想定し、ガソリンやLPガスなどの燃料を機体から吊(つ)り下げて運んだ。

 山頂への物資輸送など、山岳地帯での運用実験も重ねている。人手による荷揚げや車両での輸送が難しい場所に、必要な物資を繰り返し届ける用途を想定する。

機体下部に搭載した荷物吊り下げ用のウインチとフック
機体下部に搭載した荷物吊り下げ用のウインチとフック

 動力にはバッテリーを採用した。飛行時間はペイロードを搭載しない場合で約50分、30キロを搭載した場合で約40分。通常の飛行速度は毎秒10メートルで、最大毎秒12メートルとなる。

 将来は、災害現場での緊急物資輸送に加え、人の搬送を伴う救助用途への展開も視野に入れる。その実現には、現在の70キロから、さらにペイロードを引き上げる必要があるという。「救助用途まで考えると、100キロ程度のペイロードは確保したい。Surveyor-X70も、理論上は100キロ級まで拡張できる」(製品担当者)。

スウォーム飛行でインフラ巡視の省人化を目指す

 コンパクトな機体の「Surveyor-Mini」は、インフラ設備の点検や巡視、空撮などを想定した小型クワッドコプターだ。SBIR(中小企業技術革新制度)の採択事業として進めてきた「インフラ設備の高効率巡視作業用小型ドローンとスウォーム飛行技術の開発」の成果を反映している。

 13インチのプロペラを4枚備え、対角モーター軸間距離は550ミリ。機体寸法は展開時が430×430×228ミリ、折り畳み時が261×200×228ミリで、カメラとジンバルを含む重さは1.6キロ。リュックなどに収納して持ち運べるサイズで、バッテリーやカメラはワンタッチで着脱できる。

複数台を並べて展示した「Surveyor-Mini」。右側には着脱式バッテリーも並ぶ
複数台を並べて展示した「Surveyor-Mini」。右側には着脱式バッテリーも並ぶ

 飛行時間は約30分、最大飛行速度は毎秒20メートル。防塵/防水性能はIP43で、通信距離は最大4キロ。まだ開発中だが、限定的な受注には対応可能な段階にあるという。

 最大の特徴は、複数の機体を群れとして飛ばす「スウォーム飛行」への対応を計画していることだ。スウォーム飛行では、複数のドローンをメッシュネットワークでつなぎ、互いに連携させながら“群れ”として自律飛行させる。Surveyor-Miniでは、10〜20機程度を一群として運用することを想定している。

 広範囲のインフラ設備を巡視する場合、機体ごとに点検範囲を分担させることで、少人数のオペレーターでも広域を並行して巡視できる。災害現場の捜索でも、複数機に探索範囲を分担させ、広い範囲を効率よく確認する運用が考えられる。

「Surveyor-Mini」の主な仕様を示した説明パネル
「Surveyor-Mini」の主な仕様を示した説明パネル

 AutonomyHDが今後さらに力を入れるのが、自律制御技術とAIの融合だ。製品担当者は「これからのドローンには、機体が飛行しながら判断する“知能”が求められる。そのためのAI開発を進めている」と展望を明かした。

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