犬型ロボットがドローン充電基地に B&PLUSが現場巡回の無人化を提案:メンテナンス・レジリエンス2026(2/2 ページ)
ビー・アンド・プラスは「第1回 建設機械・インフラロボット展」で、ドローン向け500ワットクラスのワイヤレス充電システムを披露した。併せて、犬型ロボットによる移動型ドローンステーションやレール走行ロボットへの給電など、人が立ち入りにくい場所での点検や巡回の無人化を提案した。
犬型ロボットを移動型充電拠点に、危険区域のドローン運用に活用
犬型ロボットにドローンステーションを搭載したシステムは、設備点検や災害現場での状況確認や情報収集などを想定した展示だ。
犬型ロボットの背中には、直径約50センチの円形基地局ポートを搭載する。ワイヤレス充電機能を備えたポートにドローンを載せ、離陸地点まで搬送することで、人が立ち入りにくい場所や危険区域にも移動型の離着陸拠点を設けられる。「プラント施設などには、人が近づきにくい場所もある。こうした場所でも、犬型ロボットと組み合わせることで、ドローンを広範囲の点検や巡回に活用できる」と担当者は可能性を語る。
充電時には、ドローンが基地局ポートの中心に正確に着陸する必要はない。着陸位置が直径100ミリの範囲内であれば充電でき、着陸時の位置ずれに対応する。
犬型ロボットに搭載したバッテリーからドローンへ複数回充電できるため、充電やバッテリー交換のために人が立ち入る回数を減らし、効率的な運用につなげる。充電電力は50ワット以下の設計とし、高周波利用設備の申請対象外としている。
今後は高線量区域を含む、災害現場での活用も視野に入れているという。人の立ち入りが困難な区域へ犬型ロボットでドローンを運び、周辺や建物内部の映像を取得することで、遠隔からの状況把握に役立てる考えだ。
ワイヤレス充電でレール走行ロボットを長時間運用、定ルート点検を自動化
ブースの壁面に沿って展示したレール走行ロボットは、巡回/検査/評価用途を想定した自動化システムのコンセプトモデルだ。
レール走行ロボットは、レール上を走行するため移動経路が明確で、周囲の環境変化や床面の障害物の影響を受けにくく、決められたルートを安定して巡回できる。工事現場やトンネル、工場、地下設備をはじめ、高所や狭所、足場上部など、障害物が多く、AGVやAMRでは走行しにくい場所での活用を想定する。
展示品のシステム構成は、Wi-Fi通信とRFIDによる制御、ワイヤレス給電を組み合わせた。レール上の所定の位置に充電ポイントを設け、巡回の合間に30ワットのワイヤレス給電で自動充電することで、人手による充電やバッテリー交換の負担を減らし、長時間の連続運用につなげる。
担当者は「レール走行ロボットは定点、または既定ルートでの運用が前提となるため、ワイヤレス充電との親和性が高い」と強調する。
機器としてはカメラとLiDARを搭載し、レール近くに設置したモニターに、走行中にカメラで撮影した映像と、映像から人物などを認識した結果を表示していた。また展示パネルでは、LiDARによる3D計測で建設現場の掘削進捗を定期的に記録する他、トンネルの漏水/ひび割れ観測、プラント設備の巡回記録などの活用例を示した。
展示はあくまでコンセプトモデルだが、ビー・アンド・プラスは巡回や監視、点検など活躍できる現場は幅広いとみている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
スマートメンテナンス:下水道管路の洗浄/点検/診断をワンストップ化、奥村組らがいわき市で実証
奥村組、ヤマソウ、横浜市下水道管理協同組合、ジャストは、下水道管路の洗浄/点検/診断を一連の工程として実施するスクリーニング調査手法を福島県いわき市内で実証し、従来より効率的な管路調査が可能だと確認した。
スマートハウス:“高除湿力”で猛暑でも快適 積水ハウスとパナソニックが次世代空調を発売
近年、夏の暑さは深刻化し、最高気温35度を超える猛暑日の日数は年を追うごとに増加傾向にある。熱中症の患者数も増えており、その発生場所は意外にも「住空間」が多いという。住まいを快適に冷やして酷暑を乗り切りたいニーズに対し、積水ハウスとパナソニックは除湿熱交換型システムを共同開発し、2026年8月3日に発売した。
パナソニック ホームズ、地震被災リスク推定システム「P-HERES」2025年版の試験運用を開始
パナソニック ホームズは、地震被災リスク推定システム「P-HERES」の2025年版の試験運用を開始した。従来のピンポイント地点単位からエリア単位での被災リスク推定が可能となり、大規模震災時の復旧、支援対応をより迅速化できる。
建機遠隔操作の通信ロス防ぐ、IIJ子会社がデータ取得率99%の新サービス発表
インターネットイニシアティブ子会社のネットチャートは、IoT環境で確実なデータ取得を可能にするエッジゲートウェイサービス「P3EG」の提供を開始した。実証実験でデータ取得率99%を達成し、データの欠損がほぼない。建機の遠隔操作の高度化や古いビル設備のデータ統合などで活用が見込まれる。
都市の3D化とAI連携で進化するGIS【土木×AI第38回】
建設業界では、現実の工事現場などを仮想空間に再現する“デジタルツイン”が浸透しつつあります。その基盤となるデータの1つが「地理情報」です。1970年代に国土地理院がコンピュータの地図=GISを導入した後、阪神・淡路大震災の復旧活動で有効性が認識されたことを機に急速な発展を遂げました。現在では、国交省が整備した3D都市モデルのオープンデータ「PLATEAU」に準じ、地方自治体でも3Dモデル化が進み、都市計画をはじめ、防災、観光、モビリティーなど、もはや社会インフラツールとして分野を超えた利活用が始まっています。




