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塗布型ドローンで下水管をAI診断 日本ヒュームと日大らが国交省の「No Entry」実現へドローン

日本ヒュームとLiberaware、日本大学は、小型ドローンを活用した下水道管の新たな診断技術の公開実験を実施した。ドローンがpH指示薬を散布してコンクリートの劣化を可視化し、AIの寿命予測でインフラの予防保全が実現するため、国交省が進める「No Entry」にも合致する。

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 日本ヒュームと狭小空間向け小型ドローンを開発するLiberaware(リベラウェア)、日本大学 生産工学部 教授 森田弘昭氏は2026年6月26日、ドローンを活用した下水道管の新たな診断技術の公開実験を共同で実施したと発表した。国土交通省が推進する「No Entry(危険な下水道管へ人が立ち入らない維持管理)」の考え方に合致する画期的な技術だ。

診断薬塗布と噴霧型ドローンで、新たな下水道管路点検の技術を確立

 公開実験は2026年6月5日に日本ヒュームの熊谷工場で実施した。地上に再現した下水道管路へ直径約20センチの小型ドローンが進入し、管路内壁へpH指示薬を直接塗布、または噴霧した。管路径や現場環境に合わせ、薬剤をピンポイントで塗る「塗布型」と、ノズルから広範囲に拡散させる「噴霧型」の機体を使い分けた。

ALTALT 塗布型ドローン(左)、噴霧型ドローン(右) 出典:日本ヒュームプレスリリース

 これまでのドローン点検は、撮影した映像を技術者が目視で判定する「受動型」が主流だった。今回の新技術は、機体から指示薬を散布してコンクリートの変質や劣化状況を色の変化で捉える能動的な「アクティブ型点検」となる。中性化した部分を黄色、健全な部分を緑色、硫酸で劣化した部分を赤色として見える化し、客観的な診断が可能になる。

中性化部分(黄色)と健全部分(緑色)
中性化部分(黄色)と健全部分(緑色) 出典:日本ヒュームプレスリリース
硫酸劣化部分(赤色)
硫酸劣化部分(赤色) 出典:日本ヒュームプレスリリース

 そのため、技術者による診断のばらつきを抑え、より再現性の高い維持管理につながる。流速が速い管路や硫化水素濃度が高い管路など、人が立ち入るには危険すぎる下水道でも、ドローンが作業員の安全を確保しながら点検範囲を拡大する。

 また、日本ヒュームは、コンクリートメーカーとして長年蓄積した材料や劣化メカニズムに関する知見と、今回取得する診断データを掛け合わせ、AIを用いた劣化判定や寿命予測技術の開発も目指す。異常が発生してから対処するのではなく、事故を未然に防ぐ「予防保全」を目的とする。

 日本ヒューム 代表取締役社長 増渕智之氏は、「下水道は社会を支える重要なインフラだが、人が立ち入れない危険な場所も少なくない。当社は国土交通省が進める『No Entry』を実現する技術として共同研究を進めてきた。点検結果をデータ化し、AIによる寿命予測や予防保全へつなげていく」と語る。

 さらに「本技術は社会全体で活用して、初めて価値が生まれる。八潮市のような事故を2度と起こさないために、今後も技術開発を通じて社会に貢献する」と力を込める。2025年1月に埼玉県八潮市で発生した下水道管破損に伴う道路陥没事故を教訓に、特定企業による技術の囲い込みをせず、広く社会へ展開する方針を示す。

日本ヒュームの熊谷工場で実施した公開実験
日本ヒュームの熊谷工場で実施した公開実験 出典:日本ヒュームプレスリリース

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