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熟練建機オペレーターの技能をAIで可視化/継承、訓練基盤「メタトレ+」開発へAI

ワールドエリアネットワークスは、仮想空間に建設機械の訓練環境を作り、オペレーターの操作結果を評価して次の訓練に反映する建機訓練基盤「メタトレ+」の構築を目指す。2028年度に4層一体型システムの実装と現場導入検証の実施を目指す。

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 ワールドエリアネットワークス(WAN)は2026年7月30日、仮想空間に建設機械の訓練環境を作り、オペレーターの操作結果を評価して次の訓練に反映する建機訓練基盤「メタトレ+」の研究開発計画が、中小企業庁の「令和8(2026)年度 成長型中小企業等研究開発支援事業(Go-Tech事業)」に採択されたと発表した。

 研究開発では、WANが培ってきた3DCG/xR/物理シミュレーション技術を基盤に、建設機械オペレーターの技能を可視化する4層一体型システムを構築する。ひろしま産業振興機構を事業管理機関とし、広島市立大学、安田女子大学と共同で開発を進める。


「メタトレ+」を構成する4層一体型システムの概要 出典:ワールドエリアネットワークス プレスリリース

 システムは現場条件を組み合わせる「シナリオデータベース層」、建機と土の動きを再現する「物理シミュレーション層」、熟練技能を数値化する「AI技能評価層」、次回取り組むべき訓練シナリオを提案する「フィードバック層」の4層で構成する。

 シナリオデータベース層では、掘削/積み込み/整形などの基本作業を対象に、訓練の目的に合わせたシナリオを作成できる仕組みを目指す。設定項目として、山岳地帯や市街地、河川周辺などの空間に加え、地形/土質/天候/視界などの環境条件、障害物や埋設物などの配置、作業の課題や難易度などを想定する。

 物理シミュレーション層では建機の挙動だけでなく、土の硬さによる掘削抵抗の違い、掘削に伴う壁面の崩れ、粘性土のバケットへの付着、掘削後の地形変化なども仮想空間で再現する。操作ログと地形変化を時系列で取得し、オペレーターがどのように操作したか、その結果現場がどう変化したかを関連付けて記録する。

 AI技能評価層では、熟練者、初心者、未経験者の訓練データを収集し、「操作品質」「安全品質」「施工品質」の3つの観点から技能を評価する。操作品質ではレバー操作の滑らかさや操作の順序が適切かなどを確認する。安全品質では機体の傾きや周囲との距離に配慮して余裕を持った操作ができているか、施工品質では作業時間/掘削量/掘削後の形状が目標通りかを評価する。単純な合否判定ではなく、熟練者と初心者の違いを複数の指標に分解し、できている点と改善すべき点を説明できる評価モデルを構築する。

 フィードバック層では、AIの評価結果と過去の訓練履歴を基に、習熟度や課題に応じて次に取り組む訓練シナリオを自動提案する。苦手な操作を重点的に練習できるなど各オペレーターに合った効率的な技能習得を支援する。

2028年度に4層一体型システムの実装と現場導入検証を目指す

 研究期間は2026〜2028年度。3年間で、掘削、積み込み、整形を中心に300シナリオ以上を整備し、AI技能評価層で用いる10指標以上を設計する他、熟練者と初心者を高精度に識別するAIモデルを開発する。また、複数の建設関連企業で実証/導入検証する計画だ。

 開発体制では、WANがシステム全体の設計/開発、3DCG/XR/物理シミュレーション、データ取得基盤の構築と製品化を担当する。広島市立大学はAI技能評価モデルと操作データ解析の統計的な精度/妥当性を検証し、安田女子大学は教育効果や技能継承への貢献度、受容性、訓練設計を検証する。ひろしま産業振興機構は事業管理や研究進捗管理、事業化を支援。さらに、建設分野のアドバイザー企業が施工手順、安全基準、現場条件、シナリオの妥当性を確認する。

 2026年度はシナリオ生成、物理演算、データ取得の基盤を構築する。2027年度には教師データを整備してAI技能評価モデルを開発、2028年度に4層一体型システムを実装し、現場導入検証を行う計画だ。

 中長期では、画像と言語を同時に理解するAIモデル「VLM」を活用し、AIが危険と判断した理由や改善すべき操作を、映像と数値的な根拠を基に説明する機能へ発展させる構想だ。将来は建機の遠隔操作などフィジカルAIへの適用も見据え、死角の警告や危険箇所の表示、適切な操作の提案、人の監視下での障害物回避や一部作業の自動化を実現する技術への発展を目指す。

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