猛暑を乗り切るパナソニック製エアコン「エオリア」 草津生産ラインを50%自動化へ:産業動向(2/2 ページ)
深刻化する猛暑に対応するため、エアコンの製造や販売をリードしてきたパナソニックは、新会社の設立や製造拠点となる草津工場の自動化など、シェア拡大に向けた体制強化に注力している。草津工場の見学会を通して、その取り組みの全体像を探った。
長期化する猛暑に合わせた「エオリア」シリーズの実力
近年の世界的な気候の特徴として、夏の暑さが続く“期間の長期化”が挙げられる。昼夜を問わず過酷な暑さが続くため、エアコンの運転時間も増加傾向にあり、「24時間点けっぱなし」の家庭も多い。
そうした生活環境の変化に合わせ、パナソニックの「エオリア(Eolia)」シリーズは、小さなパワーでいかに長くエアコンを稼働させるかに力点を置く。そのポイントとなるのは、冷媒ガスを高効率で圧縮する「エコロータリーコンプレッサー」だ。低負荷運転を長く続けられるように調整し、無駄な運転のオン/オフをなくして快適性と省エネの両立を実現した他、内部クリーン機能も強化した。
パナソニックではエアコンを「10年使う製品」とし、生産から使用時までの全ての段階で、環境性能と生産性の向上による商品づくりにも力を注いでいる。生産時の再生樹脂の利用拡大といった環境への配慮や設置時の施工性を改善する工夫を凝らすとともに、ユーザーとの継続的な接点強化を今後の重要施策として掲げる。
また、2027年度に控える冷暖房機器などに対し、大幅な省エネ性能の向上が求められる「省エネトップランナー」の基準変更にも備え、影響を最小限にする機器開発にも着手している。
新型エアコン開発を下支えする国内生産ラインの自動化へ
こうした目標の実現に向け、生産性の向上は欠かせない。パナソニック HVAC & CCでは、エアコン製造の自動化に本腰を入れている。草津工場では、2030年に自動化の数値目標として「50%」を掲げる。3本ある生産ラインをそれぞれ違う形で自動化し、効果のあった手法を水平展開することで実効性のある導入を図る。
特に移動や裁断などの手間がかかりやすい重量物を扱う業務の自動化を中心に進め、現場の安全性確保にも努める。こうした施策は数値にも明確に表れており、工場面積当たりの生産効率は1.5倍以上に向上したという。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
不動産テック:三井不レジが新販売拠点「新宿サロン」公開 AR内見などデジタル展示で見学と商談を分離
三井不動産レジデンシャルは、複数物件の販売拠点「三井のすまい 新宿サロン」を2026年6月にリニューアルした。実寸の間取りを床面に投影し、家具を動かしながら広さや動線を確認できる「SCALE LABO」、3面大型LEDビジョンを備えた「VIRTUAL BOX」、案内専用デバイスなどのデジタル技術を多数導入。モデルルーム見学と商談を分け、顧客の利便性を高めるとともに、不動産営業社員の「土日祝定休」を実現する販売拠点の新たな運用モデルも検証する場にもなる。
ロボット:「自動物流道路」構想で、清水建設とecoroが温故創新の森で屋外無人物流インフラ検証
物流の「2024年問題」を解決すべく、清水建設とスタートアップのecoroが、国交省の推進する「自動物流道路(オートフローロード)」の社会実装に向けた実証実験を実施した。実験は清水建設の「温故創新の森 NOVARE」をテストフィールドとして、屋外自動走行EVの通信安定性と走行精度を確かめた。
レジリエンス:“地震大国”日本の技術を世界へ! 日建設計が米ミシガン州立大とレジリエンス交流
日建設計は米ミシガン州立大学の学生を迎え、災害レジリエンスをテーマにした企業訪問プログラムを実施した。学生らはヴァーチャル地震体験システム「SYNCVR」をはじめ、女優ミラーを備えるトイレやキノコの皮でできたテーブルなどアイデアが至る所に詰まった共創スペース「PYNT東京」などを視察。地震大国日本の建築設計事務所が有する最先端技術と、クリエイティブのゲンバに触れ、エンジニアの卵たちに新たな気付きを与えた。
プロジェクト:世田谷に過去最大級の木造“街並み賃貸”が誕生、三井ホームが公開
東京都世田谷区八幡山の閑静な邸宅街に、三井ホームが手掛ける過去最大級の街並み賃貸住宅「オルキデ蘆花公園 モクスタイルガーデン」が誕生した。4331.54平方メートルの広大な開発エリアの設計・施工を単独で担い、木造建築の採用をはじめ、EV充電インフラの全区画整備、緑化ブロックなど、分譲並みのサステナブルな住環境を提供する。
木造/木質化:横浜新杉田にSE構法採用の5階建て木造ビル、構造見学会を開催
横浜市磯子区で、エヌ・シー・エヌのSE構法を採用した全階木造5階建てビルの建設が進んでいる。同規模のRC造と比較して工期、コストともに2割程度の削減を見込んでいる。
AI:工務店の“AIを使えない”をゼロに プロンプト不要の建築AI「タノモシカ」始動
安心計画は、工務店や建築向けのAI活用のハードルを下げた建築AI「タノモシカ」を2026年春に正式リリースする。画像や文書の生成にプロンプトを必要とせず、3D建築CADとの連動と専門チームによる伴走支援で、“使い続けられる”AIシステムを提供する。


