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ドローン墜落場所を10km先から特定 山岳救助の知見を応用したGPS要らずの探索システムJapan Drone 2026(2/2 ページ)

建設現場で、ドローン活用は今や点検や測量の標準的な手法となりつつある。しかし、運用には「機体の紛失」や「墜落時の回収」というリスクが付きまとう。特に目視外飛行や山間部運用、災害時対応時には、墜落場所の特定が難しい。TEADは、山岳遭難救助サービスで活用しているドローン技術を転用し、GPSが届かない地形でも、10キロ先から機体の位置を特定できるシステムを開発した。

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建設現場のリスク管理を強化、複数台の同時管理や自衛隊での導入実績も

 機体探索システムは、単なる1対1の捜索にとどまらない。より高度な運用を求めるユーザー向けには、広域スキャンのGPS搭載モデルと、情報を集約して転送する受信システムも用意している。GPS搭載型の発信機は、ビーコン信号に位置情報を載せて送信。受信機がキャッチし、LTEなどの通信網を介して、離れた場所の指令本部へリアルタイムで送信できる。

 既に自衛隊の訓練などでも導入実績があり、100台規模のドローンを同時運用する環境下で、個別の機体位置を大型モニターで一括把握する運用が行われているという。

 建設業界でも、複数台管理や長距離追跡の技術は適用範囲が広い。広大な建設用地での複数建機の位置管理、広域な点検ルートを設定した際のドローンそのものの監視などへの利用が期待できる。

 システム開発の裏側には、10年にわたり山岳遭難救助サービス「ココヘリ」を展開してきた技術的蓄積がある。命に関わる現場で磨き上げられてきた「電波で人を探す」技術を、ドローンという精密機器の捜索に最適化させた。

 他社にはない「唯一無二」の強みについて、担当者は「電波の反射や地表面の起伏がある厳しい環境下での運用ノウハウ」を挙げる。単に地図上にピンを立てるだけのシステムとは異なり、実際に現場を歩いて捜索することを想定した「使い勝手」が考慮されている。

TEAD ソリューション事業部 事業部長 河野拓雄氏(右)と共同開発パートナーのA&I開発 代表 芦塚哲也氏(左)
TEAD ソリューション事業部 事業部長 河野拓雄氏(右)と共同開発パートナーのA&I開発 代表 芦塚哲也氏(左)

 導入コストについても、ハードルは決して高くない。GPSなしシステムの場合、発信機は1個あたり約2万円、探索受信機は約15万円だ。産業用ドローンの機体価格や紛失時に失われるデータの価値を考えれば、極めて合理的な価格設定といえるだろう。

 ドローンが墜落した際には、できるだけ短時間での回収が必須となる。ドローンに使用されるリチウムポリマーバッテリーは、墜落時の衝撃で発火する危険性があるからだ。過去には、山火事が発生した事例もある。ドローン本体はもちろん、機体内に保存された貴重なデータを回収できる安心感も大きい。

 本システムは、ドローンの目視外飛行や都市部での活用(レベル4飛行)が本格化する中で、万一の事態に対する「最後の切り札」としての存在感を強めつつある。

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